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[イベントレポート]

直近の課題はデータの標準化と一元化 長崎県に学ぶグランドデザイン

2010年8月9日(月)

欲しい時に欲しいデータを即座に参照できる─。情報システムを利活用する上で不可欠なことだが、場当たり的な開発プロジェクトを重ねていては実現は難しい。かといって来るクラウド時代が自然に解決してくれるものでもない。根本に立ち返って、自らが取り扱うデータの標準化と一元化に真剣に取り組むことが不可欠だ。

長崎県庁が市町村向けクラウドサービスの開始を発表したのは昨年12月27日だった。折りしも筆者はその3日前、同県の島村秀世・情報担当理事にインタビューし、「厳密にはフライングだけど、せっかく来ていただいたんだから…」と、長崎県自治体クラウドサービスの概要を入手することができた。いや、今回はそのことではない。同県がなぜ、全国に先駆けて自ら自治体クラウドサービスをスタートさせることができたか、である。

海に分断された島を1つにまとめる

長崎県が電子県庁システムの構築で掲げたのは、一般に「脱レガシー」だといわれる。それは間違いではないが、誤解を生みやすい。「しばしば、『島村さんはOSS(オープンスース・ソフトウェア)の信奉者ですか?』と尋ねられる。OSSを積極的に採用したのは事実ですが、信奉者ではない。客観的に評価した結果、21世紀の電子県庁システムに必要と判断しただけ」と島村氏は言う。

「行政コストを下げることが大目標。高齢化と少子化で行政の政務は重くなる。それに対して歳入は間違いなく減る。そのための基盤としてITを利活用し、コストを下げ、サービス品質を高める。まず取り組んだのがブラックボックスを排除すること。同時にメーカーごとのアーキテクチャで分断されているデータの島を1つに統合することだった」(島村氏)。

図1は、長崎県が電子県庁システムの構築に着手した2002年度に公開した資料に掲載されていたものだが、島村氏は当時を振り返って、「右の〈現実〉の絵は山に見えるかもしれませんが、実は海に隔てられた小さな島のつもり。島が多い長崎県にちなんだのですが…」と苦笑する。〈理想〉は、一元化されたデータベースを頂点に、アプリケーション・サーバー、Webサーバーをミドルレイヤーに置き、クライアントPCがネットワークで連携するという概念を示したものだ。

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