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日本IBM、BPMのさまざまな活用シーンを紹介 国内ユーザー向けに「IMPACT」開催

2010年8月31日(火)

日本IBMは2010年7月6日、カンファレンス「IBM IMPACT 2010」を開催した。同社のBPM/SOA製品群「Websphere」を中心に紹介するイベントで、基調講演のほか、30を超えるセッションに多く参加者が詰めかけた。

ここではBPMツールの活用法や導入効果について取り上げていたセッションをいくつか紹介しよう。

 モデリング業務は形骸化 モニタリングで現状把握を

「BPMをモデリングではなくモニタリングから始めてみよう!」というセッションでは、ユーフィット ソリューションコンサルティング部 BPM/SOA推進室 室長の入山秀樹氏がモニタリングの重要性を紹介した。

入山氏は冒頭、現状のモデリングの課題について言及。「モデリング作業においては業務プロセス図を描くことが目的化しており、業務の実態や本質的な課題を表現できずにいる。図を作成しても十分に活用されないことから、描く人の問題意識も低い」という。BPMはモデリング作業から始めるのが一般的だが、課題が分からないままモデリングすることに問題があると指摘した。

そこでまず、モニタリングによる現状把握が重要だと提言する。「モニタリングすることで現状の課題に対し説得力のあるデータを収集できる。これらのデータを利用することで社内で問題意識を共有でき、業務改善に向けた明確な目標を立てやすくなる。危機感を高める効果もあり、図を描く人も意味のあるモデル図作成に取り組める」(同氏)。

実践フェーズとしては「BAM(Business Activity Monitoring)」を用いて業務プロセス内の作業状況まで監視することを提案。「業務プロセスとしての作業時間に遅延は見られない場合でも、個々の作業の内訳を見ると問題があるケースが多い。特定の作業に遅滞が発生し、遅れを挽回するために後半の作業に大きな負担がかかっていることもある。BAMでこうした課題を顕在化でき、問題を解決することに着眼した業務プロセス図の作成に役立つ」(同氏)。

なお、入山氏はBPMを必ずしもモニタリングから実施することを提唱しているわけではない。「モデリングから取り組み、理想的な業務プロセスを描くことから始めてももちろんよい。だが、作成した業務プロセス図に価値を見い出せないなら、モニタリングを検討するのも一案である」(同氏)。

 ビジネスルールを一元管理し 効率的な業務プロセス構築

アビームコンサルティング 情報通信・メディア グループ マネージャーの高橋修氏によるセッションでは、ビジネスルール管理ツールの導入効果を紹介。IBMの「ILOG JRules」導入によるメリットに触れた。

そもそも業務プロセスは条件分岐により複雑化するケースが多い。例えば携帯電話を契約するための業務プロセスなら、料金プランを選ぶだけでも条件はさまざまだ。「契約者が学生なら契約プランに学割を適用する」や、「2年以上利用する場合は割引サービスが付く」などのケースに応じた多くのルールが存在する。BPMではこうしたルールのほか、社内で定める業務規定、法律・法令などのルールを適正に管理していくことが必要となる。

だが現状は「複数のシステムにルールが散在し、ルールの重複や品質を維持するためにコストがかかっている。また、契約システムなどにルールが組み込まれており、ルールを変更するにはシステムを再設計しなければならない」(同氏)という。

こうした課題を解決する手段の1つとして高橋氏は「ILOG JRules」を用いたルール管理を提案する。「ILOG JRulesはビジネスルールを一元管理するのはもちろん、システムからルールを切り出して管理するため、ルール変更時のシステムへの影響度を極小化できる。ルールはテンプレート化して再利用でき、メンテナンス性も高められる」(同氏)。実際の導入効果として、「システムを改修する場合でも改修が必要な箇所を局所化できるため、設計からテストまでの工数を2分の1に短縮できた例がある」(同氏)という。

高橋氏は「環境変化に迅速に対応するためにもルール管理の重要性は高まる」と指摘。「ルールを可視化して呼び出せるようにしておくことで、様変わりする顧客ニーズを迅速にシステムに反映できる。ひいては顧客満足度や商品開発力向上につながる」(同氏)とメリットを強調した。

IBM IMPACT 2010の会場風景
写真 IBM IMPACT 2010の会場風景

「オンプレミスとSaaSのアプリを容易に連携」米Cast Iron Systemsのケン・コミー プレジデント&CEO

米Cast Iron Systemsのケン・コミー プレジデント&CEO
写真 米Cast Iron Systemsのケン・コミー プレジデント&CEO

CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援)分野を中心に、様々なSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)が登場している。だがこれらのサービスは単体ではなく、社内にある基幹システムなどと連携させてこそ真価が発揮できる。そこで役立つのが、当社が提供するシステム連携基盤「Cast Iron OMNICONNECT」。既にソニーやNECがグローバルで当社のユーザーになっている。

当社の製品の特徴を一言で言うと「speed & simplicity」。SAP ERPとSalesforce CRMなど、オンプレミスとSaaSアプリケーション同士の連携例をテンプレートとして用意。ユーザー企業はそれを基にカスタマイズするだけで作業は完了する。アプリケーション連携に必要なデータ変換などのコードを手作業で作成しているユーザー企業は多い。そうした企業に訴求したい。

他のシステム連携ツールにEAIやETLなどがあるが、これらは管理ソフトやコネクタなど多くのモジュールで構成しており複雑だ。当社製品はアプライアンスとして提供しており、導入の負担を抑えられる。製品を当社のデータセンターで運用し、機能をサービスとして提供する「Cloud2」を利用すれば、機器設置の手間もかからない。

米IBMは2010年5月に当社を買収し、製品は今後1年程度かけてIBMのWebSphereブランドの中に統合する計画だ。米IBMの一員となったことで、日本などへの海外展開が容易になった。これは、競業他社に対して大きなアドバンテージになると考えている。(談)

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