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日本貨物航空、SAP ERPをベースにグローバル会計基盤を構築

2010年9月7日(火)IT Leaders編集部

SAPジャパンは2010年9月6日、日本貨物航空(NCA:Nippon Cargo Airlines、本社:千葉県成田市)がSAPの統合基幹ソフトウェアであるSAP ERPをベースにした「新財務・管理会計システム」(i-Account)を導入し、グローバルな財務会計基盤を構築したことを発表した。それにより、高度な事業戦略の分析や経営判断の正確性と迅速化が可能になったとのこと。

発表によれば、日本郵船(NYK)、国内航空会社など複数企業の共同出資により発足し国内唯一の国際貨物専用航空会社であるNCAは、2005年に日本郵船の連結子会社として経営形態が変更になったことに伴い、2006年4月から「IT自立化プロジェクト」として事業継続に必要なITシステムの構築が行われている。

その課題として残されたのが会計システムの刷新で、従来使用していた自社開発の会計システムでは上流や関連システムとのデータ連携がなく、投資案件やプロジェクトごとの予実管理、事業セグメントごとの収支把握も困難であったという。同社は、グローバルレベルでのグループ経営を支援する基盤作りを可能にし、将来の事業拡大にも対応できる柔軟性といった要件を満たすソリューションとして、SAP ERPを採用した。

多通貨処理や国際会計基準(IFRS)への対応、高度な管理会計機能の標準実装に加え、グローバルでの豊富な実績と信頼性がSAP選定の理由となったとのこと。

i-Accountは、すでに運用を開始していた3大基幹システム「運航管理システム」(i-Sky)、「整備管理システム」(i-Macs)、「航空貨物運送システム」(i-Cargo)と緊密にデータ連携を行ったうえで、2009年7月に本格稼働を開始。同システムの導入により、まず、伝票処理の24時間無停止での自動化、グローバルレベルでの経営情報の一元管理が可能になった。

そのほかの導入効果は以下のとおり。

  • 貨物輸送では、同じ飛行ルートでも飛行時間・距離・燃料消費が毎回変動し、さらに臨時便やチャーター便もあるため、コストや利益率が便単位で常に異なり、一般企業以上に採算分析が複雑になる。しかし新システムでは、運航関連情報はi-Sky、貨物関連情報はi-Cargoから自動かつタイムリーに取り込み、各種の費用を適正に配分できるようになっている。
  • 従来は難しかった路線別・貨物別収支情報を週次サイクルで把握し、レポーティングや多次元分析を可能にした。どの路線を増便・減便するかといった判断の裏付けも客観的で説得力のあるデータで提示できるため、経営判断の正確性と迅速化に貢献している。
  • i-Accountは財務会計の面でも大きなメリットをもたらしている。国際貨物航空事業の場合、各国拠点は現地法人ではなく支店扱いとなるため、日本語と英語の同時利用、各国通貨や会計規則への対応などが求められるが、i-Accountはそれらの各要件に応える機能を提供する。
  • SAP ERPが提供するSAP Employee Self-Service(従業員セルフサービス)の機能により、国内外の全社員分の諸経費精算に関してリアルタイムなオンライン処理が可能になるなど、さまざまな面で会計処理オペレーションの効率化が可能になっている。

NCAでは今後、i-Accountの柔軟なインフラを通したデータ活用により、経営層向けのダッシュボードの構築や、業務のさらなるシステム化、商取引の電子化、さらにIFRS(国際会計基準)対応なども検討している。

日本貨物航空(NCA:Nippon Cargo Airlines)
http://www.nca.aero/

SAPジャパン
http://www.sap.com/japan/index.epx

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