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日本ネティーザ、DWH専用機のデータ分析速度を強化、2010年10月末出荷

2010年9月15日(水)IT Leaders編集部

日本ネティーザは、DWH(データ・ウエアハウス)アプライアンス向けのソフトウエア新版「Netezza Software Release 6.0」を、2010年10月末に出荷する。新版では、検索性能を2倍以上に高めた。データ圧縮機能の強化によって容量とスループットを向上させたほか、大規模テーブルへの多次元クエリーを高速化した。

新版ではまず、ディスク・アクセスのストリームに対するデータ圧縮効率を高めた。圧縮アルゴリズムを変更したほか、数値に加えて新たに文字を含めた全データ型を圧縮対象とした。これにより、圧縮効率が従来と比べて2~3倍に増えた。同社のDWHアプライアンスの場合、アーキテクチャ上、データ分析の速度がディスクのデータ転送速度と等しくなるため、データ圧縮による格納データ量の向上に比例して、データ分析スループットが高まる。

また、ディスクI/Oを減らす技術として、クラスタ・ベース・テーブル(CBT)と呼ぶデータ格納方式を採用した。同社製品は以前から、ZoneMapと呼ぶ、日付などに応じてデータ格納領域を明示的に分割する機能を持っていた。この技術をベースにアルゴリズムを改善し、同一キーのデータをできるだけ同一ブロック(容量3Mバイトの専用の格納単位)に格納するようにした。これにより、検索時のディスクI/Oを大幅に削減した。

新版ではまた、「iClass」と呼ぶ、BI(ビジネス・インテリジェンス)やデータ・マイニング向けのデータ分析機能をDWHアプライアンス内部に搭載した。これにより、ETLなどを用いて外部データベースにデータを抽出することなく、DWHに格納された大量データに対して直接、膨大な計算を施せるようにした。

ディスクからのデータ転送を抑制するDWH専用アーキテクチャ

同社製DWHアプライアンスの特徴は、非対称型超並列処理(AMPP)と呼ぶアーキテクチャにある。クライアントからのSQLを受け付けるRDBMSの背後に、ハード・ディスクと一体化したSQL検索ユニットを並列に配置する。ストレージ・ユニット側でSQL検索処理を実行することにより、RDBMSとストレージ間のデータ転送量を削減し、検索速度を高める、という設計方針である。さらに、SQL検索処理とディスクI/Oの間に、データ圧縮/伸長プロセスが介在する。

ハードウエアの構成要素としては、2009年10月に出荷を始めた現行機種から、ストレージ・ユニット部に米IBMの汎用ブレード・サーバーとストレージを採用している。これに、米Netezzaが開発したアクセラレータ・カード(フィールド/レコードの絞り込み検索などを担うFPGAエンジン)を搭載している。

DWHアプライアンスの価格は非公開だが、数千万円クラス。国内1次販売代理店は、日本ユニシス、NEC、伊藤忠テクノソリューションズ、新日鉄ソリューションズの4社。Netezzaブランドのアプライアンスは米IBM製ハードウエアを採用しているが、NECはNEC製ハードウエアを用いたNECブランドのアプライアンスを販売している。

なお、同社では、2010年6月30日に今回のソフトウエア新版を発表し、2010年秋に出荷することをアナウンスしていた。今回、より明確な出荷時期(2010年10月末)を明らかにするとともに、情報をアップデートした。今回の新版の詳細のほか、2010年第4四半期に出荷する大容量(最大10ペタバイト)のアプライアンス「Cruiser」や、SSDなどによって性能を高めたアプライアンス(名称は未定)について説明した。

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