[河原潤のITストリーム]

エバーノートが切り開く、新時代のパーソナル情報管理:第24回

2010年9月22日(水)河原 潤(IT Leaders編集部)

クラウドサービスとして提供されている情報管理ツールの「エバーノート(Evernote)」が人気を博しています。“すべてを記憶するサービス”と銘打たれた同ツールでは、テキストやPDF、写真、画像、音声といったさまざまなフォーマットのファイルを、クリッピングする感覚で保存し、タグ付けによって簡単に管理/整理することができます。これらのファイルはすべて、開発元であるエバーノートのデータセンターに格納され、ユーザーは、Webブラウザやプラットフォームごとに用意されたクライアントアプリケーション(Windows、Mac、iPhone/iPad、Windows Mobile、BlackBerry、Androidの各版)からいつでも簡単に呼び出すことが可能です。

世界中で400万人を超えるユーザー(2010年8月時点)から支持を集める理由は、このツールが文字どおりのユビキタスを実現している点にあります。例えば、「外出先ではiPhone、オフィスではWindows、自宅ではMac」といった具合に、異なるプラットフォームのマシンを使い分けているユーザーは、アイデアを思いついたり写真を撮ったりするたびに、その時点で目の前にあるマシンから、自身のエバーノートのフォルダに情報を放り込むことができ、また、後で行うファイルの整理も、どのマシンを使っても行えるのです。

エバーノートによれば、国別のユーザー数は日本が米国に次いで多く、これは日本語版が提供される以前からそうだったとのことです。パーソナルな情報管理/整理は、昔から日本人が得意とするところであり、このツールが日本のユーザーの指向にぴたりとフィットしたことの現れだと言えます。

昨今、ソーシャルネットワーキング技術などを駆使した、業務にまつわる情報やデータ、ナレッジがスムーズに“つながる”ツールの活用がさかんに謳われていますが、そうした組織での情報活用の前提となる、個人レベルでの情報管理が、エバーノートのような、パーソナルユース特化型の、いわば“つながらない”ツールの活用によって促進されているというわけです。

エバーノートの、勢いのあるサービスならではの頻繁なバージョンアップ/新機能の投入には目を見張るものがあります。情報やデータについては“つながらない”ことがコンセプトですが、サードパーティーツールとの機能連携は積極的に推し進められています。このツールを起点とした、新たなパーソナル情報管理の世界の広がりに、今後も期待したいと思います。

この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
バックナンバー
河原潤のITストリーム一覧へ
関連キーワード

Evernote

関連記事

トピックス

[Sponsored]

エバーノートが切り開く、新時代のパーソナル情報管理:第24回クラウドサービスとして提供されている情報管理ツールの「エバーノート(Evernote)」が人気を博しています。“すべてを記憶するサービス”と銘打たれた同ツールでは、テキストやPDF、写真、画像、音声といったさまざまなフォーマットのファイルを、クリッピングする感覚で保存し、タグ付けによって簡単に管理/整理することができます。これらのファイルはすべて、開発元であるエバーノートのデータセンターに格納され、ユーザーは、Webブラウザやプラットフォームごとに用意されたクライアントアプリケーション(Windows、Mac、iPhone/iPad、Windows Mobile、BlackBerry、Androidの各版)からいつでも簡単に呼び出すことが可能です。

PAGE TOP