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タテ社会の人間関係—リクルートエージェント行本年延氏が選ぶ1冊

2010年12月28日(火)

勝てないと分かっているゲームでも、最後まであがき続ける生き方を選んできました。後から「うまくいかなかったのは、本気を出さなかったからだ」と自分に言い訳したくないんですよ。以前勤めていた外資系IT企業で、最後に手がけた仕事でもそうでした。レガシーシステムをオープン化し、ERPに移行。それまで各国の拠点が個別運用していたシステムを3カ所に集約するというプロジェクトだったんですが、IT部門の大幅な縮小も計画の内。部下をリストラし、最終的には自分自身をリストラするというわけ。私にとって、まさに勝てないゲームでした。それでも、プロジェクト完遂に向けて全力を尽くしましたよ。

タテ社会の人間関係タテ社会の人間関係
中根 千枝 著
ISBN:978-4061155053
講談社
735円

こんな生き方には、十代のころに出会った「敗れざる者たち」の影響が大きい。同書は、輪島功一や円谷幸吉といった競技者が勝利を求めてあがいた様を丹念に描いたノンフィクションの短編集です。ボクサーのカシアス内藤を取り上げた一編で著者は、「人には3つのタイプがある」と言います。まっ白に燃え尽きる人間とそうでない人間、そして「いつか燃え尽つきたい」と望み続ける人間です。私は燃え尽きる人間でありたい。この本を読むたび、そんな意を強くします。

そうそう、プロジェクトを終えて会社を去る際には、それなりの退職金をもらいました。どう使うか検討した結果、ポルシェやフェラーリを買わず(笑)、自己投資することに。米国に留学し、MBAを取得したんですよ。リーダーシップや組織管理を学びました。

外資系企業で長く働き、留学も経験して思うのは、私たちは日本の文化や日本人の考え方をもっと学ぶべきだということです。グローバル化が急激に進み、外国文化への関心が高まっていますが、異文化を理解するにはまず自国のことを理解しなければ。そこでおすすめしたいのが、「タテ社会の人間関係」。日本社会の構造を的確に論じた名著です。初版から40年以上たつ今も、その内容は全く色あせていません。この本を最初に手に取ったのは、やはり十代のころ。それから30年近く、ずっと手元に置いて愛読しています。こうして見ると、ずいぶんくたびれていますね(笑)。

ビジネス関連でおすすめの著者は、ジェラルド・M・ワインバーグです。一連の著作を20冊ほどそろえていたんですが、先日ふと本棚を見て「あれ?」と驚いた。数冊に減っていたんです。部下に貸しているうちに、いつの間にか行方知れずになってしまったんですね。この「コンサルタントの秘密」は、貴重な生き残り(笑)。コンサルティングを成功させる法則を、ユーモアをまじえながら列挙、解説した1冊です。「依頼主がどう言おうと、問題は必ずある」とか「決して10パーセントより多くの改良を約束してはいけない」とかね。コンサルタントの経験がある人なら、「そうそう」とうなずきながら読めると思いますよ。

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