[イベントレポート]

卓越したものづくり支える3D CADソフト、「事前検証」と「協働支援」に新潮流

SolidWorks World 2011/2011年1月23日〜26日 米サンアントニオ

2011年3月2日(水)川上 潤司(IT Leaders編集部)

業務の「見える化」の域にとどまらず、最適解かを検証する「診える化」をさらに追求していく─。ミッドレンジ3D CADソフト「SolidWorks」のベンダーである米ソリッド・ワークスが開催した年次カンファレンス「SolidWorks World 2011」では、随所にそんな思いが込められていた。

 家電製品やIT機器、日用品といった小〜中規模プロダクトの設計において、今やPCベースの3D CADソフトの活用が広く浸透している。当初は設計業務を効率化することに重きがあったが、近年では最終製品が十分な機能性と安全性、そして収益性を備えているかを事前に検証し、試作回数を徹底的に抑えることがトレンドとなっている。

 典型例としては、部品の素材や形状に変更を加えると強度がどう変わるか、それは原価の面ではどんな影響を及ぼすかといったことをCAD画面上で速やかにシミュレーションする機能が挙げられる。一方では、設計データをオンライン上で共有し、関係メンバーがそれぞれのスキルやノウハウを持ち寄ってレビューを繰り広げるコラボレーション機能を実装する動きも活発。企業ITも、もの作りの世界も「協働支援」が喫緊の課題だ。

 会期中の来場者は約4500人で、その中心はSolidWorksを日々の業務で使っているプロダクトエンジニア。機能美を追求するだけでなく、最終顧客と自社にいかに価値をもたらすかが勝負所であり、そのためにも設計段階での「診える化」を具現化する機能に熱い視線を注いでいた。

開催地は米テキサス州サンアントニオ
写真1:開催地は米テキサス州サンアントニオ。運河沿いの一角にあるコンベンションセンターが会場となった

基調講演など
ミスが許されない境遇を“栄光ある失敗”に重ねる

 連日の午前にはキーノートスピーチが催された。中でも超満員になったのが、アポロ13号のジェームズ・ラヴェル船長とジーン・クランツ地上管制官による講演だ。月面に向けて発射された後、機体トラブルで絶望的状況に立たされながらも英知の結集で無事に帰還するという、映画にもなった“栄光ある失敗”を当時を振り返りながら披露。共に80歳前後という年齢を感じさせないエネルギッシュな語り口に、会場は引き込まれた。

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