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ユーザー系SIer3社主導のクラウド検証センター開設、大手ベンダー13社が協力

2011年5月17日(火)

ミッションクリティカルな基幹系システムを確実に稼働できるクラウド環境の標準構成を共同構築する―。この目的に向けて、大和総研ホールディングスと新日鉄ソリューションズ、パナソニック電工インフォメーションシステムズのユーザー系システムインテグレータ3社が共同で立ち上げたのが、クラウド技術推進グループ「アライアンスクラウド推進ソサエティ」である。同グループは2011年5月16日、技術検証センターの開設を発表。国内・外資系の大手ベンダー13社も協力し、ユーザー主導型の検証施設としては比較的大規模なものになる。

「アライアンスクラウド検証センター」と呼ぶ検証センターを、横浜市にある新日鉄ソリューションズのシステム研究開発センターに開設した。3社共同で、基幹系システムの稼働に適したクラウドインフラについて共同検証する。構築ノウハウの共有や、クラウド技術者の相互交流による人材育成を促進する。

主な検証内容は、クラウドサービスが提供すべき各種機能を評価するための「機能検証」、運用のベストプラクティスを確立するための「運用検証」、クラウドサービスを継続的に提供するため「バージョンアップ検証」、障害発生時の迅速な復旧に向けた手順を確立する「障害対応検証」の4項目。

同グループにはベンダーが13社が参加し、検証機器や検証時の技術/人的支援、最新技術情報などを提供する。参加企業は、アドビシステムズ、EMCジャパン、イージェネラ、ヴイエムウェア、NEC、シスコシステムズ、シトリックス・システムズ・ジャパン、日本オラクル、日本ヒューレット・パッカード、日本マイクロソフト、ネットアップ、富士通、レッドハットの13社。

インフラに用いる製品選定の要件は3社で策定。特定のサーバーやストレージに依存しないことを前提に、「ネットワーク仮想化技術を有する」といった技術的な要件、「ファームウェアのバージョンアップやパッチ適用を無停止で実施できる」といったユーザーとしての実用的な要件などを選定要件として設けている。

検証環境は3月末に構築済みで、今後大きく3つのフェーズに分けて検証を進める。2011年4月から6月の「第1サイクル」では、日本HPのサーバーと、HPサーバー向けのイージェネラのリソース管理ツール「PAN Manager 7 for HP」、米3PAR(米HPが買収)のストレージの組み合わせや、富士通のブレードサーバーとEMCジャパンのストレージの組み合わせについて基本機能や運用検証を実施する。

2011年7月から12月の「第2サイクル」や2012年1月から6月の「第3サイクル」では、日本マイクロソフトの仮想化技術「Hyper-V」やシトリックス・システムズ・ジャパンの仮想デスクトップ環境(VDI)、日本オラクルのデータベースなどを検証対象にする。現時点では製品として発表されていないが、アドビシステムズが開発中の仮想環境向け製品や、NEC向けのPAN Manager 7も、この段階で検証対象になるものと想定される。PAN Managerは、開発元のイージェネラやNEC、前述のHP製サーバーに加え、富士通や米デル製のサーバー向けの製品も販売し、管理対象を拡大している。

3社はこれまで、仮想化や運用自動化技術を盛り込んだプライベートクラウドを独自に構築してきた。個別に実施してきた検証作業を共同実施し、システム標準化のノウハウを共有することで、製品選定や検証、システム構築にかかる時間やコストを削減する。将来的には、3社のプライベートクラウドや外部サービス向けのクラウドインフラを、共同検証したインフラに置き換えていく。

グループに参加するユーザー系システムインテグレータは、現時点では大和総研ホールディングスと新日鉄ソリューションズ、パナソニック電工インフォメーションシステムズの3社だが、「我々と同じ志を持つ企業があれば、ぜひ参加いただきたい」(大和総研の鈴木孝一専務取締役)と、今後は新規参加も受け入れていく姿勢だ。

アライアンスクラウド検証センター開設式で一同に介するユーザー系システムインテグレータ3社(前列)と、国内・外資系の大手ベンダー13社(後列)
アライアンスクラウド検証センター開設式で一同に介するユーザー系システムインテグレータ3社(前列5人)と、国内・外資系の大手ベンダー13社(後列13人)の責任者
(修正2011年5月17日18:18)掲載当初、団体名を「アライアンスクラウド推進ソサイエティ」としていたのは、「アライアンスクラウド推進ソサエティ」の誤りでした。また鈴木孝一氏の所属を「大和総研ホールディングス」としていたのは、「大和総研」の誤りでした。本稿では修正済みです。
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