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NEC、自社製のデスクトップ仮想化基盤に新版、ICA(XenDesktop連携)など可能に

2011年6月10日(金)

 NECは、仮想PC型シンクライアント・システム「VirtualPCCenter」の新版「VPCC4.0」を、2011年6月9日に販売開始した。新たに、類似ソフトである米Citrix Systemsのデスクトップ仮想化ソフト「XenDesktop」を介してアクセスしたり、Webブラウザを介してアクセスしたりできるようになった。1台あたりの初期導入コストは、7万2000円(税別)から。

 VirtualPCCenterは、NECが開発した、仮想PC型のシンクライアント・システム。大きく3つの要素で構成する。(1)仮想マシン・ソフトのVMwareをベースに、エンドユーザーのデスクトップPC環境を仮想マシンの形態で提供する基盤。(2)仮想PCを、画面情報端末プロトコルで遠隔操作するシンライアント。(3)仮想PCとシンクライアントの接続をヒモ付けて管理するコネクション・ブローカ---である。

 新版では、従来版で制約となっていた2つの点を強化した。これにより、ネットワーク帯域が狭いモバイル環境で利用しやすくなったほか、Webブラウザさえあれば端末側には専用ソフトを用意する必要がなくなった。

 (1)従来版の制約の1つは、画面情報端末のプロトコルがWindows標準のRDP(Remote Desktop Protocol)に限られ、XenDesktop製品が提供するICA(Independent Computing Architecture)が使えなかった点である。ICAの特徴は、必要なネットワーク帯域が数10Kバイト程度からと少なくて済むこと。外出先からモバイル通信回線を経由したアクセスなどに適する。

 新版では、XenDesktopが別途必要になるが、VirtualPCCenterの環境下(仮想PCとデスクトップ・ブローカ機能)においても、ICAプロトコルで仮想PCを操作できるようにした。具体的には、VirtualPCCenterのデスクトップ・ブローカ機能を、XenDesktopのデスクトップ・ブローカ機能と連携させ、ICAによるコネクション管理を可能にした。

 (2)もう1つの従来版の制約は、コネクション・ブローカ機能の実装がVirtualPCCenterのサーバー側だけで完結しておらず、シンクライアント側に専用のモジュールをインストールしておく必要があった点である(Windows機をシンクライアントとして使う場合は、専用のエージェント・ソフトが必要になっていた)。

 新版では、これまでシンクライアント側で動作させていた専用のエージェント・ソフトを、Webアプリケーションの形態でも利用できるようにした。具体的には、シンクライアントとなるWindows機からWebブラウザでWebアプリケーションにアクセスすることで、Webアプリケーション側に用意したエージェントがVirtualPCCenterのデスクトップ・ブローカにアクセスする仕掛け。動作を保証するWebブラウザはIE7/8で、JRE(Java実行環境)が必要。

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