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私の本棚『ザ・プロフィット』─レコチョク 白石久彦氏が選ぶ1冊

2011年6月27日(月)IT Leaders編集部

小説家を志していたこともあり、学生時代の読書生活は文学中心。安部公房や村上春樹作品を語る高校生でした。あんまりもてそうにないでしょ(笑)。大学時代も引き続き、村上龍氏や島田雅彦氏などの小説を読みあさる毎日で、ビジネス書には全く関心が向かなかった。その類を読むようになったのは、社会人になってから。仕事に役立つ小技を効率的に吸収できると気づいたからです。

ザ・プロフィットザ・プロフィット
エイドリアン・J・スライウォツキー(著)、中川治子(訳)
ISBN:978-4478374221
ダイヤモンド社
1680円

なかでも、「ザ・プロフィット」は目から鱗でした。同書は、ビジネスでどうやって儲けるかを「顧客ソリューション利益モデル」や「インストール・ベース利益モデル」など23のパターンに分類して解説しています。最近、「シェア」や「フリー」をキーワードに新たなビジネスモデルを解説する書籍が相次いで刊行されていますが、この本はその先駆けです。新しいサービスを企画する際、とても参考になる。何か思いついたときに、「これはどのモデルに当てはまるだろう」などと何度も読み返しています。とはいえ、初版から9年。インターネットの世界はどんどん進化しています。そろそろ第2弾が出てもいいころ、と期待しています。

企業のトップに立つ人は、どういうことを考えているんだろう。そんな好奇心から、稲盛和夫氏や孫正義氏といった経営者の著書をよく手にします。江副浩正氏の「リクルートのDNA」も、その1冊。読後、「江副氏はずば抜けて頭がいい」と率直に感じました。とりわけ印象的なのは、「起業はボトムアップ、撤退はトップダウンで」という考え方です。特に後半部分。新規事業に勝算がない場合は、上に立つ者がストップをかけてやるべき。なぜなら、現場の担当者は自分が始めた事業に思い入れがあり、「やめる」とは言い出しにくいものだから。著者はそう言います。全くその通りですよね。

ビジネス系を2冊紹介しましたが、相変わらず小説も読んでいますよ。通勤時間が45分ほどあるので、毎日それなりに読み進めます。最近は、iPadで電子書籍を読むことも。伊集院静氏の「なぎさホテル」とか、堀江貴文氏の「拝金」とか。読書に疲れたら、Twitterです。Twitterも長時間やっていると疲れますけど(笑)。

書店にはよく足を運びます。行きつけは、地元にある大手書店。本の“積み方”が、好みに合うので。店頭ではまず、音楽雑誌を見てからITや経済、小説コーナーをチェックします。それと、必ず立ち寄るのが心理学コーナー。

心理学関連でおすすめ? 最も影響を受けた1冊を挙げるなら、「甘えの構造」ですね。大学時代、留学先の米国で出会いました。同じく日本から来た友人の部屋にあったんです。自分に改善すべき点があることを棚に上げて、「やってもらって当たり前」「こうなって当然」と周囲に求めるのは甘えである。そんな内容を読んで、思わず「なるほど」。それ以来ずっと、周囲に甘えないよう自分を律してきました。

ただ、このところ心境に変化が。「甘えてはいけない」から、「かわいく甘える」という方針に転換しつつあります。例えば、旦那さんが奥さんに「飯もってこい」と言うのは甘え。これを「おなかすいた」と表現すれば、同じ甘えでも許せると思いませんか?(笑)

リクルートのDNA
江副浩正(著)
ISBN:978-4047100879
角川書店
720円

甘えの構造
土居健郎(著)
ISBN:978-4335651298
弘文堂
1365円

 

白石 久彦 氏
白石久彦氏
レコチョク システム部 システム開発グループ グループ長/テクニカルスペシャリスト
大学卒業後、ITエンジニアとして企業向けWebサイト構築をはじめ様々なプロジェクトを手がけた後、2004年4月にソフトバンクグループのディーコープに入社。オープン系Webシステムの開発・運用に従事しつつ、基幹システム統合やセキュリティ対策などグループ横断のプロジェクトにも参画した。2008年8月、レーベルモバイル(現レコチョク)に入社。システム本部において、レコチョクショッピングやクラブレコチョクといったサービスシステムの開発PMを担当。2011年4月より現職。
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