[シリコンバレー最前線]

個人が気軽にベンチャー投資 金融サービスもソーシャル化が進む

2011年7月11日(月)

2011年5月19日、ビジネスパーソン向けのSNSを提供するLinkedInが株式を公開(IPO)した。初値は88ドル。それが、数時間後には122ドルまで跳ね上がった。ソーシャルへの期待はそれだけ大きい。ソーシャルの波は、金融の世界にも押し寄せている。今回は、米国で広がるクラウドファイナンス(crowd finance)についてお伝えする。

2008年末の金融バブル崩壊後、米国連邦政府は巨額の資金を大手金融機関に投入した。その源泉は、言うまでもなく国民の税金である。ところが、金融機関は個人には冷たい。銀行の定期預金につく利子は雀の涙。ローンを申し込む際には申請書に事細かく記入させられ、審査も厳しい。クレジットカードの返済を滞らせると、高額な金利を請求される。

米国の一般消費者は、こうした金融機関のあり方に不信感を抱き始めている。そこで生まれたのが、個人間での融資を可能にするクラウドレンディング(crowd lending)である(表1)。具体的には、Web上で小口の資金を集め、学費の支払いや住宅ローンの返済、結婚、事業拡大といった理由で資金を必要としている個人に貸し付けるサービスである。ソーシャルレンディング(Social lending)、あるいはピアトゥーピアレンディング(peer-to-peer lending)とも呼ぶ。

表1 主なクラウドレンディング会社
表1 主なクラウドレンディング会社

その仕組みはこうだ。借り手は、サービス事業者のWebサイトに希望金額や用途のほか、社会保障番号やクレジットカード番号などを登録し、融資を申請する。サービス事業者は、社会保障番号を基に本人確認を実施する。さらに、クレジットカードの利用履歴などから申込者の信用度をレイティングし、返済利率を決める。過去に税金を滞納したり自己破産した人は、この段階で除外される。与信を経た融資申請の内容は、匿名でWebサイト上に一定期間掲載される(画面)。貸し手となる登録ユーザーは、金額やレイティングといった情報を見て融資の可否や金額を決める。

クラウドレンディングサービスの画面例。
画面 クラウドレンディングサービスの画面例。貸し手は、融資希望額や返済利率などを確認して投資の可否を決める

借り手にとって、クラウドレンディングの最大のメリットは必要な資金を短期間で調達できること。例えば、ある女性はProsper Marketplaceのサービスを利用して、ブティック開業に必要な2万5千ドルを15日で調達した。700人が融資に応じたという。

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