[木内里美の是正勧告]

IFRSの様子見をする前にやるべきこと

2011年8月18日(木)

日本における国際財務報告基準(IFRS)の適用時期が、大幅に遅れる見込みになった。2011年6月30日に開催された企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議で、強制適用の是非も含め、少なくとも適用まで2年以上の先送りをすることになったからである。

IFRSに関しては、2009年6月30日に開かれた企業会計審議会総会の場で、「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(いわゆる【中間報告】と呼ばれる文書)」が承認され、与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政担当)に答申した。この時、日本はIFRSの適用を国際的にコミットした。強制適用の最終決定を2012年に予定し、2015年3月期からの適用を想定して準備を進めてきたはずだった。

2年でIFRSへの姿勢が急変

答申から2年。この間の対応姿勢の変化は著しく、しかも急だ。その背景には何があるのか。直接的な要因は5月25日に金融庁長官宛てに出された、日本を代表する21社の要望書だと言われる。経団連も6月29日に、「国際会計基準(IFRS)の適用に関する早期検討を求める」という意見書を表明した。グローバル経営におけるIFRSの重要性とIFRS活動における日本のプレゼンスを評価しながらも、適用時期や内容の再検討、つまり強制適用の延期を促したものである。

では要望書や意見書が出された理由は何か。21社の要望書はリーマンショックを理由の1つに挙げる。だが、それが起きたのは2008年9月。日本がIFRS対応をコミットした9カ月前だから、先送りの理由としては適切ではない。3月11日の東日本大震災は日本経済に多大な影響を与えているが、それが先送りの引き金になったとも言えない。

考えられるのは、米国の対応姿勢が変わったことである。2011年5月26日、米国証券取引委員会(SEC)はスタッフ・ペーパーを公表。IFRS準備期間の延長や柔軟な対応に含みを持たせたのだ。いずれにしても、日本のIFRS適用は、国連加盟国のなかでも大幅に遅れることになった。

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