[技術解説]

解説 IBMが提唱する「ABA」 Part 5

2011年10月25日(火)

ビジネスの俊敏性を支えるための 実践的アプローチを整理 厳しい競争のなか、企業は“変われる”、すなわち施策を迅速に実行に移せる俊敏性を求められている。 では、どうすれば俊敏性を高められるのか。1つの解を示すのが、ビジネスアーキテクチャという考え方だ。 本パートでは、ビジネスアーキテクチャの考え方と、 その実現に向けてIBMが提唱する実践的アプローチを解説する。

ビジネスの世界において、安定性や効率性よりも革新性や変化への対応スピードが求められていることはすでに言い古された感がある。だが、経営層にとって依然として重要なテーマとなっている。それにもかかわらず、実際には様々な課題に直面して迅速な施策が打てないという現実がある。ビジネスの俊敏性・機敏性を獲得することは、言うはやすし行うは難し。「施策を打とうにも、現状を把握できない」「実行に移そうとしたら、組織や人材、既存システムの制約に翻弄されて、どこから手を付けたらいいのか分からない」「IT資産が増えて、事業展開の足かせになっている」といった企業の悩みは枚挙にいとまがない。どうすれば俊敏性を高められるのだろうか。「ビジネスアーキテクチャ」が、そこに光を与えてくれる。

企業が保有しているシステム、特に基幹業務システムはこれまで、主として業務の効率化と正確性を高めることを目的としてきた。従来のシステム構築では、ビジネスに必要な業務の一部を愚直に投射することが求められてきた。

しかし今日、ビジネスの世界においては安定性や効率性よりも、革新性や変化への対応スピードが求められるようになった。そうしたなか、システムに投射され固定化した業務プロセスが、企業にとって大きな足かせとなっている。皮肉なことに、従来に増してその重要性を高めているシステムが、業務の変更を邪魔しているのだ。

といっても、単にシステムを作り直しただけではビジネスの俊敏性は高まらない。システムは、その構築時に策定されたビジネス活動の写像である。そう理解すれば、ITを含めたビジネス構造そのものを柔軟にするには、ビジネスを部品の組み合わせとして設計しなければならないことは自明だ。そのための視点を示すのが、ビジネスアーキテクチャという考え方である。

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