[シリコンバレー最前線]

鉄は熱いうちに十代のベンチャー精神を伸ばす

2011年10月6日(木)山谷 正己(米Just Skill 社長)

ティーンエイジャー向けのコンテンツ開発コミュニティであるTeens in Techは2011年8月、シリコンバレーでカンファレンスを開催。十代の若者とその父母のほか、起業経験者、ベンチャーキャピタリストなど約300人がXeroxパロアルト研究所に集まった。

4度めを数えるこのカンファレンスは、若者の起業家精神を鼓舞するための催しである。筆者は野次馬よろしく2年前から参加している。最初に登壇したのは、アンドリュー・スー氏(20歳)だ。彼は10歳のときに大学教授になると決意した。猛勉強の末、12歳でワシントン大学に入学。神経生物学、生物化学、化学の学位を修めて同大を16歳で卒業後、スタンフォード大学大学院へと進んだ。

その彼は2010年、シール基金(Thiel Foundation)の奨学生に選ばれ、奨学金10万ドルを獲得した。シール基金とは、電子決済サービス大手であるPayPalの共同創立者だったピーター・シール氏が、若者の起業を支援することを目的に設立したNPOである。同氏は数々のスタートアップ企業に投資していることで知られている。Facebookに最初に投資したのも彼である。

奨学金を得たスー氏は今年4月、博士課程への進学が決まったところで大学院をドロップアウトし、ソーシャルラーニングゲームの開発会社Airy Labsを創立した。8月時点ですでに、Google VenturesやFoundation Capitalといったベンチャーキャピタルのほか、個人投資家から総額150万ドルの投資を受けた。現在、従業員は12人。彼自身、朝から翌朝の午前3時〜4時まで仕事に没頭している。1週間の労働時間は100時間に及ぶという。スー氏がこうした過酷な労働に耐えられるのは、強靭な体を持っているからである。東洋系である彼の体格はスリムだが、小学生のときは水泳、大学に入ってからは柔道で体を鍛えた。水泳は今でも続けている。その彼は、会場の若者たちに向かって、「『世界を変えよう』という情熱を持って、好きなことをやろう」と呼びかけた。

写真1 Xeroxパロアルト研究所 写真1 Xeroxパロアルト研究所
写真2 Airy Labsのアンドリュー・スーCEO 写真2 Airy Labsのアンドリュー・スーCEO
写真3 TruantTodayのザック・クコフCEO 写真3 TruantTodayのザック・クコフCEO

最年少は16歳

講演者のなかで最年少だったのは、16歳のザック・クコフ君だ。2010年、彼が高校2年生の時に創業した「TruantToday」は、生徒が授業を無断欠席した際、その親のスマートフォンにインスタントメッセージやメールを自動送信して報告するサービスである。「1人の生徒が無断欠席すると、先生は家庭への連絡その他の事務作業が増える。結果として、学校にとって1日30〜50ドルの損失を生む」。クコフ君はそう言って、自社サービスのメリットを説明した。すでに、彼が住むロサンゼルスの高校ではこのサービスを採用し、無断欠席率を劇的に改善させたほか、不登校の予兆を早期に把握する効果を得ている。ロサンゼルス以外でも、同サービスを採用する高校が徐々に増えているという。

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