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イノベーションの作法 —MTI 安永豊氏が選ぶ1冊

2011年10月27日(木)

「モノはこび」の技術開発に携わる身として、イノベーションや技術革新という言葉には敏感です。「イノベーションの作法」を書店で見て、すぐ手にとりました。表紙を見てびっくり。共著者の勝見明君は、中学・高校の同級生なんですよ。ジャーナリストになったことは知っていましたが、こんな真面目な本を書いているとは(笑)。

イノベーションの作法イノベーションの作法
野中 郁次郎、勝見 明 著
ISBN:978-4532195229
日本経済新聞出版社
800円

冗談はさておき、本書はマツダのロードスターやソニーのFelicaといった成功事例を基に、どうすれば技術革新を起こせるかを説いています。イノベーターは、異なる2つの資質を併せ持っている。著者らはそれを、「理想主義的プラグマティズム」や「知的体育会系」といった言葉で表現します。技術革新というと、ブレストとか場作りとか、手法に目が行きがちです。でも、本当に必要なのは人間学。本書を読んで、そう気づかされました。

「二酸化炭素温暖化説の崩壊」は、前任の社長がふらっとオフィスに現れて置いていったものです。書名の通り、「CO2が地球温暖化の原因である」という通説に異議を唱えています。CO2犯人説は、都合のよいデータばかり集めた我田引水のたまもの。それを、いかにも真実であるように喧伝している。著者はそう指摘します。著者に対する評価は様々なようですが、3・11以前に原発の問題点を指摘していた点でも、値打ちのある本だと思います。

環境関連でもう1冊。「人類が消えた世界」は、もし人類がいなくなったら世界はどうなるのかを詳細にシミュレーションしています。人類消滅から2日後、地下水汲み上げ施設が停止し、ニューヨークの地下鉄は水没する。3年後にビルが崩れはじめ、20年たつころに道路が陥没する。その一方で、原子炉から漏れ出したプルトニウムが1/1000に薄まるのは25万年後。プラスチックは、どんなに小さく砕こうが地中に埋めようが、永遠に分解されないそうです。人類が消えても、地球は存在し続ける。その一方で、我々が地球に与えているダメージは大きい。人間はそう自覚し、もっと謙虚になるべきです。

この4月、あるセミナーで講演しました。テーマは、「クラウド時代におけるIT部門の役割を考える」。そのネタ探しをしているときに見つけたのが、辻信一氏の「『ゆっくり』でいいんだよ」です。IT化が進むにつれて、どんどん忙しくなっている気がします。日々、メールを読んで返信するだけでかなりの時間をとられる。それでいいのか。何のための忙しさか。同書は、そういう問題意識にぴったり来ました。文中、「大地を守るなどと思わず、大地を楽しみなさい」という言葉があります。すべてコントロールしようとする人間の傲慢さを突いた名言ですよね。

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