[イベントレポート]

ビジネスプロセス改革の新潮流─人とIT、業務を融合させる「価値創造型システム」のあり方を探る

2011年11月29日(火)IT Leaders編集部

企業は今、激しい変化の真っただ中にある。熾烈さを増す競争に打ち勝つにはどうしたらよいのか。何よりも大切なのは、経営戦略を拠り所に業務プロセスを臨機応変に見直し、IT基盤を速やかに追随させる動的な改革基盤を築くことにある。これを具現化する手段として関心が高まるBPM(Business Process Management)にフォーカスし、今回のIT Leadersセミナーが開催された。

セミナー開催概要

日時 : 2011年10月20日(木)13:00~18:20
会場 : ベルサール飯田橋駅前(東京)

日産自動車が取り組む新IS/IT中期戦略

能丸実氏 日産自動車グローバル情報システム本部
IS企画統括部部長
能丸実氏

基調講演には、日産自動車グローバル情報システム本部 IS企画統括部の部長を務める能丸実氏が登壇。「日産自動車のIS/IT新中期戦略『VITESSE』の取り組み」と題する講演を行った。

現在、日産自動車は新中期経営計画「日産パワー88」を立ち上げ、世界市場での成長を加速している。フランス語で“速さ”を意味する「VITESSE」は、その実現を支えるIS/IT中期計画だ。

能丸氏は、過去6年間のIS/IT中期計画「BEST」を通じたITガバナンスの深化、コスト削減などの取り組みを紹介。そして、VITESSEでは、従来の事業分野や部門ごとの“横軸”に加え、よりビジネスの実態に即した“縦軸”でソリューションを展開していくと説明した。

「例えば、新興国に拠点を立ち上げる際には、機能単位という“横軸”で展開されてきたアプリケーションやデータを集め、現地に適用することになります。そこにビジネス視点(縦軸)が無ければ、どんな非効率があり、何を標準化すべきかといったことを見極めることが難しくなります」(能丸氏)

BPMの要はプロセス“粒度”の設計

川嶋葵氏 日本電気株式会社経営システム本部業務プロセス改革グループ主任
川嶋葵氏

事例セッションでは、NEC 経営システム本部業務プロセス改革グループの川嶋葵氏が「NECの経営システム改革におけるBPMの実際」と題する講演を行った。同社におけるBPMの取り組みは、連結子会社283社、12万人の社員を対象とする全グループ的プロジェクトだ。

川嶋氏は、これまでの取り組みにおける成功要因として、トップダウンでプロジェクトを推進したことや、機能領域や事業領域ごとにグローバルプロセスオーナーを任命したことを挙げるとともに、ビジネスプロセスの標準化には方法論が必要だと訴えた。この方法論としてNECが最初に取り組んだのは、ビジネスプロセスの“粒度”の設計である。「受注登録といっても捉え方はさまざまであり、その粒度を合わせることが、“共通言語”となります」(川嶋氏)

これからBPMに取り組む企業に提言

パネルディスカッションでは、ユーザー側から三菱総研DCSの長見雄史氏、NECの土`方雅之氏、ベンダー側から、日立製作所の吉村誠氏、日本IBMの松田剛氏、レッドハットの梅野昌彦氏が、パネリストとして登壇。来場者に向けて、それぞれ次のようなアドバイスを送った。

「BPMはツールありきではありませんが、自動化や省力化の観点から、適切にツールを使う必要があります」(長見氏)

「プロセスの継続的な改善を行っていくには、業務をモニタリングし続ける仕組みが欠かせません」(土`方氏)

「BPMでは、リードタイムの短縮など、最初に目的をしっかり定め、ぶれずに取り組むことが重要です」(吉村氏)

「事前に現状プロセスを調査することで、品質向上やコスト削減などのBPMによる効果を明確化できます」(松田氏)

「BPMにツールを適用する際には、ビジネスプロセスの粒度にあったものを選択することが重要です」(梅野氏)

写真左から、三菱総研DCS株式会社技術推進事業本部技術企画統括部長長見雄史氏、日本電気株式会社経営システム本部業務プロセス改革グループシニアマネージャー ?方雅之氏、株式会社日立製作所情報・通信システム社ソフトウェア事業部第2AP基盤ソフト設計部担当部長吉村誠氏、日本アイ・ビー・エム株式会社グローバルビジネスサービス事業戦略コンサルティンググループマネージングコンサルタント松田剛氏、レッドハット株式会社グローバルサービス本部シニアソリューションアーキテクト梅野昌彦氏。モデレーターは、本誌副編集長川上潤司が務めた。
写真左から、三菱総研DCS 技術推進事業本部技術企画統括部長 長見雄史氏、NEC 経営システム本部業務プロセス改革グループシニアマネージャー 土`方雅之氏、日立製作所 情報・通信システム社ソフトウェア事業部第2AP基盤ソフト設計部担当部長 吉村誠氏、日本IBM グローバルビジネスサービス事業戦略コンサルティンググループマネージングコンサルタント 松田剛氏、レッドハット グローバルサービス本部シニアソリューションアーキテクト梅野昌彦氏。モデレーターは本誌副編集長 川上潤司が務めた
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