[ザ・レビュー]

“データベース仮想化”製品が登場、複数のDBから論理ビューを形成

レッドハット「JBoss Enterprise Data Services Platform 5.2」

2012年3月2日(金)川上 潤司(IT Leaders編集部)

経営環境の変化に企業ITを即応させる手段として、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を再評価する声が高まっている。レッドハットが投入したのが「JBoss Enter-prise Data Services Platform 5.2」だ。SOAの枠組みの中で、複数のDBを仮想的に統合するアプローチを採用している。

[製品化の背景]
SOAに乗るデータ統合サービスを

経営環境の変化に企業ITを即応させる手段として、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を再評価する声が高まっている。業務を一定の粒度の処理手順に分解し、それぞれを「サービス」としてソフトウェアに実装。ESB(エンタープライズサービスバス)を介して分散連携させて目的の処理を実行すると共に、要件変更に最小限の手当てで対応しようというものだ。

既存の複数システムを連携する用途ではEAI(エンタープライズアプリケーション統合)という手段も採り得る。もっとも、ハブ&スポーク型で集中処理方式のEAIは、性能や変化対応性の観点で律速要因となる可能性がある。

とりわけ、データ連携の側面で見れば、フォーマット変換やルーティング、ワークフローなどの定義が煩雑になりがちだ。さらに、複数のシステム(狭義にはDB)のデータを統合処理するアプリケーションを考えた場合、集約したデータをストアするDBを用意しなければならないのが一般的。システム全体としての複雑性が増す。

こうした問題を解決しようとレッドハットが投入したのが「JBoss Enter-prise Data Services Platform 5.2」だ。SOAの枠組みの中で、複数のDBを仮想的に統合するアプローチを採用している。大雑把に表現するなら、マルチDBを対象に“マッシュアップ”を実現するものだ。用途や規模にもよるが、既存のDBを流用する形でのアプリケーションを構築できる。

[機能の概要]
あたかも1つのDBに見せる

主要となるのは、複数のDBを対象に、(1)どこに、どんなデータがどんな形で格納されているかを一元管理する機能、(2)各DBにアクセスし読み込み/書き込みするインタフェース機能、だ。これらから実際のデータは格納しない「論理的なDB(ビュー)」を形成する。外部にはあたかも1つのDBのように見せる。

データへのアクセス要求があった際には、元となる複数のDBに接続し、一塊のデータセットとして受け渡す。一方で各DBへの更新処理もできる。

設定には、統合開発環境「JBoss Developer Studio」を利用する。ウィザード機能があり、統合可能なDBの一覧から視覚的な操作でデータをマッピングしていく。

標準で対応するのは、Oracle、DB2、SQL Server、Sybase、MySQL、PostgreSQLといったメジャーなDBのほか、TeradataやNetezzaなどのDWHシステム、salesforce.comのクラウドサービスとつなぐこともできる。

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