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Part4 メガベンダーのスイート製品

専門家から一般社員までフルカバー
買収後の製品ラインナップが出揃う

2007年、IBMはコグノスを、オラクルはハイペリオンを、そしてSAPはビジネスオブジェクツをそれぞれ買収した。 3社とも大手BIベンダーの製品を既存の自社ラインナップに加え、 データ統合から分析ツールまでの「フルカバー」をうたっている。

IBM、オラクル、SAPというメガベンダーがBIツール大手を次々に買収した背景には、「即断即決のスピード経営が求められる中、『業績の見える化』や『データ分析による仮説検証サイクル』を実現するBIは、エンタープライズシステムの一環をなす不可欠な構成要素となった」(ジールの山本秀典代表取締役CEO)ことがある。

オラクルとSAPはERPソフトの大御所。IBMにしても売り上げの6割以上をサービスで稼ぐ巨大SIerと見ることができる。理想的な業務システムを描くジグソーパズルにたとえるなら、3社は最後のピースを埋めるためにBIベンダーの買収に走ったようにも見える。

企業の「今」や「未来」を分析するために必要となる機能を、すべて網羅して提供しようというのは各社に共通する考え。スイート製品の構成要素やアークテクチャは、大枠で見れば似通っている。マスターデータ管理の機能、DWHやデータマートにデータをロードする機能、ダッシュボードや分析レポートといったフロントエンドの機能をアプリケーション基盤上に実装。業種・業務別のテンプレートを提供し、特に予測やシミュレーションが重要となる財務分野向けには専門ツールを用意する。さらに、これまでのノウハウを活かし、KPIの設定などのコンサルティングも引き受けるというものだ。

データ統合にも領域を広げる

BIを導入するにあたり、分析対象となるデータの品質を高めることはとても重要な作業だ。そこで各社は、マスターデータ管理やDWHへのデータローディングを効率化する製品を提供している(マスターデータ管理については小誌2008年11月号で特集した)。

IBMでは「InfoSphere MDM Server」「InfoSphere Information Server」がこれに相当する(図4-1)。オラクルは「Data Integrator」を擁する。これはスイート製品「Business Intelligence Suite Enterprise Edition Plus(BIEE Plus)」の構成要素の1つだ。SAPは「Master Data Services」「Data Integration and Data Quality Management」と呼ぶカテゴリの中でツール群を提供している。

図4-1
図4-1 IBMの情報活用コンセプト「Information On Demand」を支える主な製品構成

ただし、これらの製品を導入したからといって、すぐにマスターデータ管理を自動化できるわけではない。どのシステムのどのデータを参照したいかを明確にするのに加え、それぞれの粒度もチェックして各種の設定を施す必要がある。DWHにデータを格納するタイミングも日次の夜間バッチ処理でいいのか、1時間ごとの更新が必要なのかなど企業や業務によって事情が異なる。自社のニーズに合わせて吟味し、場合によってはベンダーをはじめ社外の専門家に可否を確認するのが賢明だ。

フロントは買収製品を前面に

メガベンダー3社では、もともと自社が持っていたBI製品と買収先の製品が混在。それらの間で機能が重複していることも少なくなかった。しかし最近になってようやく各社におけるフロントエンドツールの統合ラインナップが見えてきた。

IBMは「Cognos8」「同TM1」といったコグノス製品群を前面に打ち出す。Cognos8は主に2つの製品からなる。「Cognos8 Business Intelligence」は分析/レポートや業績指標管理、ダッシュボード、イベント管理機能などを備えた統合製品。「同Planning」は財務管理に重点を置いた分析ツール。企業戦略を計画、予算、業績予測に反映させながら重要指標を管理・分析できる。一方の「TM1」は、64ビットのオンメモリー型OLAPサーバー技術を使い、大量の財務データを高速に分析・シミュレーションできるツールである。

オラクルはBIのフロントエンドツールとして、「業務ビジネスインテリジェンス」「財務パフォーマンス管理」という2分野で製品を投入する。前者は同社の既存製品が中心で、後者はハイペリオン製品群がカバーする(図4-2)。財務分野の予測分析に適した「Hyperion Financial Management System 9」や「Hyperion Planning System 9」のほか、バランススコアカード手法に基づきKPIをモニタリングする「Hyperion Performance Scorecard System 9」などが代表製品だ。

図4-2
図4-2 オラクルはハイペリオンの買収で、企業活動全体の可視化基盤を整える

SAPは2008年9月末に、BI製品の今後のロードマップを発表した(図4-3)。フロントエンドツールはBO製品にほぼ統一する。具体的にはダッシュボードの「Xcelsius」、レポーティングの「Crystal Reports」、分析ツールの「Web Intelligence」などだ。予測を含む高度な分析については、両社の既存製品「BEx Analyzer」(SAP)と「Voyager」(BO)を統合した「Pioneer」を2010年をメドに投入する。

図4-3
図4-3 SAPは、BusinessObjects買収で複雑になった製品体系を整理した
表4-1 スイート化を加速する日本IBM、日本オラクル、SAPジャパンが提供する主要なBI関連製品
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表4-1

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