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ブレーンストーミング、KJ法、マインドマップ 発想法のエッセンスを理解する(第10回)
システム開発の現場で取り扱う問題は、「多知識型(領域特有)」で、かつ「定義の悪い」ものであることが多い。今回紹介する発想技法は、このような問題の原因を追究したり、解決策を考えたりする際に有効である。解決策のみならず、問題の感知力も高めることができる。問題を構成するざまざまな要素や原因、現象などと、それらの因果関係を可視化し、整理していく手段を提供しているからだ。
ただし単に発想技法を使えばオートマチックに、問題の構造や解決策を見いだせるわけではない。どんなツールでも同じだが、特に発想技法を使う際には、それを使うに相応しい能力と姿勢が求められる。
発想技法は世の中に数多く存在する─人間の数だけ存在すると言えるかも知れない─が、本章ではブレーンストーミング法など、比較的よく知られているものを紹介する(図1)。それだけ練り込まれているし、関連書籍や関連ツールも存在するからだ。
ブレーンストーミング法
欧米はリスク管理に活用
米国の広告代理店の副社長だったオズボーン(Osborn、A.F.)氏が開発した発想技法が、「ブレーンストーミング法」である。文字通り、「ブレーン(脳)で問題にストーム(突撃)する」といった意味から、こう名付けられた。進行役1名を中心に複数名が集まり、ある検討テーマに対してできるだけ多くのアイデアを出し合っていく。その際、重要なのは量(アイデアの数)であって、結果として良質のアイデアが増える。「アイデアの質は量に比例する」という考えに基づいているのだ。
これだけの説明だと、通常のミーティングとさほど変わらないように思えるかも知れない。ブレーンストーミングでは実施ルールを定義しており、そのルールに従わなければならない。具体的には以下の4点がルールである。
(1)自由奔放
自由奔放なアイデアを歓迎する雰囲気を作り出しておく。奇抜なアイデアやテーマとは無関係に思えるアイデア、あるいは実現不可能なアイデアに対しても、歓迎しなければならない。このような雰囲気によって、参加者は自由にアイデアを出す気持ちになる。
(2)批判厳禁
誰かが出したアイデアに対する批判を厳禁する。参加者が「批判されるかも」と思った瞬間にアイデアが出なくなるので、当然だろう。批判しないというルールによって制約やタブーが排除されるようになる。
(3)質より量
アイデアを出す段階では、何が良くて何が悪いかを判断できない(しない)。そこで進行役は会議の参加者全員が発言し、アイデアが沢山出てくるよう議論を活発化させていく。時にはアイデアを出さない参加者に対して、プレッシャをかけることもある。
(4)便乗発展
参加者が出したアイデアに便乗する形でアイデアを発展させる。自分一人で物事を考えようとすると、どうしても限界がある。複数名で考えると相手のアイデアに刺激され、新たな発見が生まれてくる。
このようなルールのもとで参加者同士できるだけ多くのアイデアを出し、出尽くしたところで実際に使えそうなアイデアを絞り込んでいく。ブレーンストーミング法には整理の手法はないので、この後に紹介するKJ法やマインドマップなどを使うといいだろう。
ブレーンストーミングは、欧米ではプロジェクトマネジメントにおけるリスク抽出など、多くのビジネスシーンで使用されている。事実、近年プロジェクトマネジメントのグローバルスタンダードになりつつあるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)では、リスクマネジメントにおける情報収集技法の1つとしてブレーンストーミングを挙げている。
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