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大企業でもCIOを任命しているのは14%にとどまる——JUAS「企業IT動向調査2009」より

「Cクラスのエグゼクティブ」─。それは三流の経営者のことでも、ドイツ製某高級車のシートに身を沈める経営者のことでもない。CEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)、CIO(最高情報責任者)など、頭に「Chief」を冠する役職に就く経営トップのことだ。

中でも当誌に最も関係が深いのは、経営方針に基づいた情報戦略やIT投資を統轄するCIOである。元々は、経営陣のプロフェッショナル化が進んだ米国で生まれた役職だが、ITの重要性が高まる中、国内でもCIO、またはそれに相当する担当役員が必要だとする声が聞かれるようになってきた。

では実際のところ、どのぐらいの企業がCIOを任命しているのだろうか。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が実施した「企業IT動向調査2009」から、最新の数字を紹介しよう。調査の対象は、東証一部上場企業を中心とした企業で、852社から回答が寄せられた。

この中で従業員が1000人を超える企業(270社)を見ると、「役職として定義されたCIOがいる」との回答は14%にとどまる。しかし、「IT部門・業務を担当する役員が相当する」との回答は66%あり、約8割は役員クラスがIT戦略に関与する体制を持つようだ。

ただし、その役員の経験やコミットメントの状況については、いささか心許ない結果も出ている。1000人以上の企業のCIO(あるいは相当するIT担当役員)に対して、IT関連業務の経験年数を尋ねた問いでは、50%が「経験がない」と答えた。「5年以上」の経験を有する人は21%に過ぎない。過去の主な経歴(複数回答)では経理/財務、経営企画が上位に挙がった。

日々の仕事の中でIT関連業務に投入する時間の割合については、「専任」(つまり全時間)との回答は15%にとどまり、「5割以上」の8%を加えても全体の4分の1である。一方で「1割以下」が39%に達する。

この数字を見る限り、まだまだ日本の企業においてはCIOの実体は「片手間」の域を出ず、プロを目指す明確なキャリアアップの道筋は確立していないようである。もっとも、取材をしていると時折、経営やITについて深い洞察力を備えた実力の持ち主に出会うことが増えている。他社のCIOとして転身したり、コンサルタントとして独立する人も徐々にではあるが出てきたようだ。IT業界に身を置く人にとって憧れとなる先達が1人でも多く活躍してくれることが、状況を変えるきっかけになるかもしれない。

ある実力派は、「CIOに必要なのは細かい技術論ではなく、現状を革新したいという攻めの気持ち」と話していた。同じ「C」でもConservativeではいけないのである。

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