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日本でいちばん大切にしたい会社 他2冊(東京海上日動火災 牧野 司)
日本でいちばん大切にしたい会社坂本 光司 著
ISBN:978-4860632489
あさ出版
1470円
このスーパーに衝撃を受け、こういう会社がほかにもあるか調べたところ、「日本でいちばん大切にしたい会社」を見つけました。この本は、社員の7割が障害者というチョークのメーカーや、島根県の山奥にあるのに世界中から注文が舞い込む義手・義足メーカーなどを紹介しています。驚いたのは、どの会社も社員やその家族、顧客の幸せを最優先していること。業務効率や会社の時価総額なんて二の次なのに、毎年きちんと利益を上げている。
同書を読んで、米国企業のように短期的な株主利益ばかり追求する経営姿勢って本当に正解なんだろうか、と感じました。もちろん、事業資金を提供してくれる株主は大切にすべきです。でも、あまりにもガツガツした利潤追求は、長い目で見れば会社の成長力を弱めてしまうでしょう。第一、朝起きて「さあ、今日も株主のために働くぞ!」と思う人はいませんよね(笑)。
こういう話をすると「理想論だよ」とか「資本主義の世の中、そんなきれいごとではやっていけない」という人がいます。でも、それはちょっと違うんじゃないかな。理想は諦めるものではなく、追い求めるものです。実際、社会のために役立つ企業経営を資本主義の枠組みの中で可能にしようと考えている人はいます。その1人、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストである原丈人氏は「21世紀の国富論」で、中長期的な企業育成を目的とした新たな株式市場の創設を提案しています。短期的利益の獲得に奔走する企業ではなく、社会に貢献する企業が評価される仕組みを、資本主義の市場原理を使って作ろうというわけ。すごいことを考える人もいるものです。
「奇跡のリンゴ」は、農薬や肥料を使わないリンゴ栽培を成功させた木村秋則氏を主人公にしたノンフィクションです。従来、無肥料・無農薬のリンゴの栽培は絶対に不可能とされていました。確かに、木村さんのリンゴの木は数年間、全く実をつけなかった。ただそれは、長年にわたる農薬漬けによってリンゴの木の生命力が弱っていたからなんです。肥料と農薬をやめてから8年後、リンゴは再び実をつけるようになった。長い時間をかけて、本来の生命力を取り戻したんですね。
この本を読んで、これから目指すべきマネジメント像が見えてきた気がします。リンゴの木を社員、農薬を内部統制や管理と置き換えてみるんですよ。厳しいルールや達成目標を課せば、一時的にはパフォーマンスが上がるかもしれません。でも、農薬漬けの木が生命力を失うのと同じように、行きすぎた管理は社員のモチベーションを低下させてしまう。ガチガチの管理をやめれば、社員は木村さんのリンゴのように本当の実力を発揮できるはずです。自由に行動できると、人は張り切るものですよ。
21世紀の国富論
- 原 丈人 著
- ISBN:978-4582833577
- 平凡社
- 1470円
奇跡のリンゴ
- 石川 拓治 著
- 「NHKプロフェッショナル仕事の流儀」制作班 監修
- ISBN:978-4344015449
- 幻冬舎
- 1365円
- 牧野 司 まきの つかさ
- 東京海上日動火災 IT企画部課長 兼 経営企画部 参事
- 1981年に東京海上火災保険入社。主として情報システム畑を歩む。現在は海外保険業界の先端的ITの調査を実施するほか、社外の各種プロジェクトや研究会に参加。海外での講演も数多くこなす。筑波大学や九州大学で1年に2回ずつ、企業システムについて教えている。
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