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「言志四録」ほか-国分 板東 直人氏が選ぶ1冊
言志四録に収められた一斎の言葉は、全1133条に上ります。毎日の通勤電車で、1日5条ずつ読み、考える。それを「今日の言葉」として手帳に書き付ける。これが私流の読み方です。全部読むには1年以上かかりますが、今まで3回ほど繰り返しました。内容が自分の“血肉”になっていることを感じます。
例えば、晩録13条の「一燈を提げて暗夜を行く。暗夜に憂うこと勿れ。只だ一燈を頼め」。私はこれを、「自分を信じて進んでゆけ」という意味に解釈しています。一燈とは、まさに自分自身のことなんですよ。信念を貫くことの大切さを教えられます。
「生命の暗号」は3年前、IBMのユーザー会で著者の講演を聞いたのをきっかけに読みました。著者は、人の遺伝子には無限の可能性があると言います。ただ、大部分が能力を発揮しないのは、スイッチがオフになったままだから。ほら、よく「火事場のばか力」って言うでしょ。何かをきっかけに遺伝子のスイッチがオンになれば、人間はとんでもない力を発揮できるんです。
この本がおもしろかったので、書店や図書館で生命や遺伝子関連のコーナーに立ち寄るようになりました。そのうち、宇宙コーナーにまで守備範囲が広がりましてね。手にしたのが「宇宙人としての生き方」です。資源の枯渇や人口爆発は、地球人から見れば大問題かもしれない。でも、宇宙から見れば、地球人のことなんて知ったこっちゃない。今、地球に起きていることをもっと大きなスケールで考えよう─。そんな視点が新鮮でした。
私の目下のテーマは、やはり人材育成です。人を育てるうえでは、陽明学の祖である王陽明の「伝習録」にある「事上磨練」という言葉を大切にしています。これは「机上の空論ではだめ。人は事にあたってこそ磨かれる」という意味ですが、まったくその通りだと思います。いくら会議で議論しても、実際に現場で手を動かさないと人は育ちません。このほか、「7つの習慣」や「1分間マネジャー」といったビジネス書も、部下を指導する立場として大いに参考にしています。
自宅近くに図書館があるので、よく利用します。家族4人で行ってそれぞれ上限の20冊ずつ、合計80冊を一度に借り出すこともありました。そんなにどうやって持って帰っていたか? 専用のカゴを抱えていったんですよ(笑)。
数を多く読んできたおかげで、本を吟味する目をずいぶん養えたと思います。書店に行くでしょう、すると読むべき本が目に飛び込んでくる。「私を読んで」という本の声が聞こえます(笑)。
- 村上 和雄 著
- ISBN:978-4763191915
- サンマーク出版
- 1680円
- 松井 孝典 著
- ISBN:978-4004308393
- 岩波書店
- 777円
- 板東 直人 ばんどう なおひと
- 国分 情報システム部長
- 1978年に入社。経理部門を経て、1989年から情報システム部門に勤務している。流通事業本部システム推進担当や情報システム部システム企画担当、BPR推進担当などを経て、2009年3月より現職。この間、一貫して国分グループの情報システム再構築に携わっている。
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