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BPMに向けた組織成熟度診断(第3章)
1. 設問
ここでの設問は、経営に携わる人あるいは経営企画部門の人を前提にして組み立てられています。直接関係していない分野で答えにくいものもあるかも知れません。その場合にも設問の主旨を理解していただき、組織内あるいは企業内で少しでも「やっている」と判断したら、質問の細部にこだわらず“Yes”と回答してください。
それでもこういった質問の性格上、解答する人によって結果がかなり異なることが考えられます。皆さんの企業の実情をより正確に知りたいのであれば、この質問に複数の人から答えをいただいてください。そして、その結果からそれぞれの質問に対するYes/Noを(多数決になりますが)決定してください。その際、匿名にて回答をいただくのも効果的かも知れません。この設問に対する回答結果から、現状の皆さんの立ち位置が見えてくることになります。
さて、結果はいかがだったでしょうか。
実はここでの診断は、組織としてBPMを実施するための準備がどの程度できているかという、企業の「BPMに向けての組織の成熟度」を測ることを目的に、7つの評価軸により組み立てられています。7つの評価軸とは以下の通りです。
- リーダーシップ: BPMの価値を理解し、組織に浸透させて実行させるため、リーダーシップを持って経営者がBPMを進められるか
- 計画力: 組織はBPMを正しく進めることが可能な計画を立てられるか
- 標準化力: ビジネスプロセスおよびその成果物について標準化を測り、組織での共有を確実にできるか
- 文書力: BPMを進める上での組織の体制・役割分担、業務の標準などが正しく文書化できるか
- 実行力: BPMは立てた計画に従って間違いなく実行できるか
- 能力開発: BPMに必要となる能力を、個々人および組織全体として開発し育成できるか
- 管理能力: BPMを進めるためのリソース(人、物、金)や問題の発生などを正しく把握して管理し解決できるか
第2章中編で説明したように、BPMの中核となる考え方は、「可視化」「最適化」「標準化」「共有化」です。設問には複数の考え方が含まれている場合がありますが、ここでの評価軸で言う「標準化力」は「最適化」と「標準化」を含み、「文書力」は「可視化」と「共有化」を含むことになります。「可視化」「最適化」「標準化」「共有化」を強力なリーダーシップの下で必要な能力を備えて、計画、実行、管理していけるか、ということで「BPMに向けた組織成熟度」を評価します。
全体の点数はもちろんBPMに向けた組織成熟度の最大の判断基準ですが、7つの評価軸のバランスがどう取れているかも重要です。ある軸の点数が低い場合にはそこがボトルネックとなって全体が引きずられてしまいます。他に点数の高い軸が多くあっても全体としてはBPMが進められなく恐れが出てくるからです。
次には、それぞれの評価軸の得点に応じて、処方箋を用意しました。この処方箋を参照し、皆さんの企業/組織における今後のBPM推進に役立ててください。
2. BPM処方箋
まず設問への回答結果から点数を算出します。
下記得点表のそれぞれの設問番号について、Yesと回答したものについて回答欄にチェックを入れてください。それぞれの評価軸の欄にはその評価軸が該当する設問について配点が記されています。Yesと回答したチェックが入っているものについては得点欄にその配点を転記していってください。そしてそれぞれの評価軸ごとに和をとって得点行に記入してください。さらにこの得点についてそれぞれの評価軸の配点に対しての百分率を算出し得点率の行に記入してください。
これをBPM成熟度レーダーチャートにプロットしてみてください。企業としてのBPM成熟度のバランスが明確になります。
次にBPM処方箋にそれぞれの評価軸ごとに得点を記入してください。
BPM処方箋に示された得点境界は、「BPMにとりかかる準備ができている」と判断する得点を示しています。この点数より低い場合には、処方箋の内容を参考にしてその軸の点数を上げる施策をとってください。最終的にはすべての軸が得点境界を越えるように持って行くことが望ましい。先にも述べたように低い点数の軸がボトルネックとなってしまうからです。
しかし「得点境界に達しない軸があるからBPMが始められない」というわけではありません。評価の低い軸については、そこを改善・補強しながらBPMを進めていくという前向きな姿勢が大切です。BPMは継続的な改善活動です。BPMを進めた結果としてすべての軸の評価が高くなってくるはずです。そしてこのとき、皆さんの企業の企業価値は確実に高まることになります。第4章では補強した状況を踏まえてBPMの実践方法を述べます。まずリーダーシップが求められるなど診断の7つの要素は活動を進めていくにあたり重要な項目であることがおわかりいただけると思います。
本コラムは、ビジネスプロセス革新協議会(BPIA)で活動するビジネスプロセスマネジメント(BPM)研究会のメンバーが協力して執筆しました。BPIAは、次代の企業にふさわしい組織・業務革新の「あるべきモデル」「導入活用定着手法」を究明し、企業競争優位性の確立とビジネスの生産性向上を目指して1999年に設立されました。また、BPM研究会はITベンダー、ITコンサルタント会社、ユーザー企業で実際に業務革新に取り組んできた専門家が、もっとも効果的/実践的な業務革新の手法を探求しているグループです。
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