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プレミアサポートの利用方法(第9回)
1. 24時間365日対応
通常のテクニカルサポートを勤務時間対応のみとし、プレミアサポートとして24時間365日対応とするメーカーが多い。特に、ミッションクリティカルな環境で使用しているユーザーにとっては、24時間365日でテクニカルサポートが対応できることは必須であり、通常はプレミアサポートを契約する。ここで注意しなければいけないのは、24時間365日対応といっても、勤務時間外の夜間や休日に対応してもらえるのは、緊急度の高いシビラティ1あるいはシビラティ2(シビラティ:重大度や深刻度の意。数字が若いほど重大度が高い。詳細は第4回参照)の問い合わせのみに限定している場合が多いということである。もちろん、メーカーによっては24時間365日フルサポートというところもあるが、こちらはかなりのリソースやコストを必要とするため、提供しているところは少ない。シビラティ1あるいは2のみの勤務時間外対応なのか24時間365日フル対応なのかは、事前に確認しておきたい。
2. アカウント担当の設置
プレミアサポートの場合、ユーザー専任のアカウント担当を置く。アカウント担当は、以下のようなことを行う。
- ユーザーとの定例ミーティングを実施する
- ユーザーの使用環境やネットワーク構成などを事前に把握し、障害発生時に速やかに対応できるようにする
- ユーザーからの問い合わせ状況を管理し、定期的に状況を報告する
- ユーザーに対して、バージョンアップの情報やリリース時期の提供、新機能情報、新製品情報といった事前情報(プロアクティブ情報)を発信する
- そのほかユーザーと密に連絡を取り、さまざまな情報交換を行う
なお、専任のアカウント担当とはいうものの、1人で1社のみを見るわけではなく、数社を見るのが普通である。もちろん、非常にレベルの高いプレミアサポートの場合には1人1社ということもあるが、非常に高価なものとなる。
3. ホットラインの提供、優先順位の高い対応
プレミアサポートの場合、通常の問い合わせ窓口のほかにプレミアサポート専用の問い合わせ窓口がある。これにより、プレミアサポートからの問い合わせであるか通常サポートの問い合わせであるかを分離して処理している。プレミアサポートの問い合わせ窓口からは、直接スキルの高いエンジニアにつながるようになっている場合もあり、対応がスムーズに進みやすいようになっている。たとえば、通常サポートの問い合わせ窓口はTier1のエンジニアにつながるようになっているが、プレミアサポートの問い合わせ窓口はTier2のエンジニアにつながる、といった形である。
また第4回で述べたように、問い合わせの優先順位は通常シビラティで決まるようになっているが、プレミアサポートの場合はシビラティとは別に、通常サポートよりも高い優先順位で処理されるようになっている場合もある。
4. オンサイト・サポート
電話とメールがテクニカルサポートの対応の基本だ。一方でプレミアサポートの場合、必要に応じてオンサイトで対応したり調査することがある。もちろん、常にオンサイトでサポートを提供するわけではない。エンジニアが判断した場合のみ、オンサイトでの調査などを実施する。
オンサイトサポートは、通常のサポートに比べて非常に早い調査・解析が行えるのが利点である。通常のサポートでは、ユーザーがテクニカルサポートの指示に基づいてログや情報を取得し、テクニカルサポートに送って調査・解析を行う。エンジニアが直接ユーザーの環境で必要な情報を集め、その場でできる限りの解析をし、さらなる情報が必要な場合であってもその場で取得できるからである。またエンジニアがオンサイトで調査している間に、製品出荷後のメンテナンスやバグフィックスをするサステイニングや、開発担当部門と連絡を取り、さらに深い調査や情報の収集ができる。オンサイトで得られた情報をもとに、すぐにサステイニングがパッチ(ただし暫定のパッチとなる)を作成し、その場で適用するといったこともできる。
5. プレミア情報提供
アカウント担当の設置のところでも述べたが、プレミアサポート契約者のみに行う情報提供のサービスがある。プロアクティブ情報として、バージョンアップの情報やリリース時期の提供、新機能情報、新製品情報などを発信する。また、注意事項や制限事項、バグ情報などが出た場合には、ユーザーに連絡する。
6. 問い合わせ状況管理
アカウント担当は、ユーザーからの問い合わせ状況を一元管理し、定期的にユーザーに連絡する。これにより、ユーザーとテクニカルサポートの間で問い合わせに対する漏れや認識の違いがないようにしている。ユーザーとアカウント担当の間で認識を合わせておくことにより、特に問い合わせが終了したかどうかが分からないといった問題が起こりにくくなる。
問い合わせ数が多くなった場合には、ユーザーと相談してそれぞれの問い合わせに対する優先順位を設定し、それに基づいて問い合わせ対応を進めるということで認識を合わせておく。
以上のように、プレミアサポートには通常サポートにはないさまざまなサービスが提供されている。費用が余分にかかるので、利用するかどうかはユーザー側でも慎重な検討が必要だ。もし、ビジネスに対する製品の重要度・影響度が大きい場合には利用すると良い。その際には上記の点に注意して、事前にテクニカルサポートに内容を確認し誤解のないようにしておきたい。実際に障害などが発生したときに、期待どおりのことをやってもらえないとテクニカルサポートに対する不満となる。できるだけそのようなことがないようにしていただきたいものだ。
- 諸角 昌宏
- 外資系コンピュータ・メーカーで、ソフトウェアの開発に従事。特に、国際化ライブラリやUNIX、データベースの開発を担当。その後、外資系セキュリティ・ベンダーで、テクニカルサポートのマネージメントを行い、現在は、セキュリティ・ソリューションの日本における立ち上げおよびビジネス・ディベロップメントに携わっている。
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