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スポーツ界のエグゼクティブから学ぶ、リーダーのための6つの教訓

Six Leadership Lessons from Sports Executives By Joe Frontiera, PhD and Dan Leidl, PhD

多くのCIO(最高情報責任者)は、IT部門の生産性や進むべき方向性を大きく改善することを期待されて雇われる。彼らが新しい職に就くと、既存の組織の壁の厚さに思い知らされることが多々ある。まるで逆流に逆らって上流に泳いでいくようなものだ。

チームは責任能力に欠け、納期は常に変更できると思っており、プロセスは無視し、同僚への気遣いもない─。もしもこんな状況だとしたら、CIOが期待された結果を出すのは難しい。

同じような状況は、実はプロスポーツの世界でもよくある話だ。変革をもたらすことを期待されて任命された新しい監督やジェネラルマネジャーが、しばらくするとまた次の人にとって代わられるという例はいくらでもある。一方で、スポーツ界のエグゼクティブの中には、チームの業績向上に高い能力を発揮する人もいる。

CIO INSIGHTは、大リーグ(MLB)や米プロフットボールリーグ(NFL)などの分野で非常に大きな業績を挙げているスポーツ界のリーダーたちにインタビューし、リーダーに必要な6つの重要な教訓を見いだした。これらはパフォーマンスの芳しくないチームを抱えて苦闘しているITエグゼクティブにも参考になるはずだ。

1. 子供のような素直さを持つ

子供は、素直に真実を口に出すものだ。5歳の子供であれば、家の食事が美味しくなければ、両親に対しても「まずい」と正直に言うだろう。インタビューしたスポーツ界のエグゼクティブは、非常に劣悪な環境の中でも、問題を無視するのではなく認めたうえで、それに対する疑問を周囲にぶつけていった。「なぜ練習のための施設がないのか」「なぜ仲間に対してひどい態度をとるのか」などだ。彼らはまず、現状の状況をきちんと棚卸し、改善が必要とされる問題点を洗い出した。さらに、これらの問題を事業全体の枠組みの中で議論し、検討していた。

2. 明確で包括的なビジョンを

包括的なビジョンとは、組織にいる個人に肩書とは関係なく、組織の成功のために何らかの貢献を求めるビジョンのことだ。成功したスポーツ界のエグゼクティブは、ビジョンを検討するとき、エグゼクティブの直属の部下や中核メンバーだけでなく、組織内の全メンバーを考慮に入れていた。あるエグゼクティブは、チャンピオンになるというビジョンを話した時、「コーチやプレイヤーだけが責任を担っているわけではない。この組織にいる1人ひとりが責任を持つのだ」と語りかけたという。掃除係の人であっても、ロッカールームでプレイヤーが病原菌に犯されないようにきちんと掃除しなければならない。包括的なビジョンは、すべての従業員が1つの目標に向かって突き進むエネルギーを与える非常に強力な武器となるのだ。

3. 計画に忠実であれ

企業の経営幹部と同様に、スポーツ界のリーダーも、自らのビジョンを現実のものにするために明確な計画を策定する。大きなプレッシャーの下、当初の計画の実行が危ぶまれる状態になっても、基本的な計画を実行できる強い執念をもっているかどうかが、成功するかしないかの分かれ目になる。

リーダーが競合に目を向けすぎるのは問題だ。戦術的にはメリットはあるが、長い目で見た場合、組織を成功に導くプロセスを大幅に変更せざるを得ない状況に陥りやすい。

例えば、NFLのあるチームが鉄壁のディフェンスを擁し、優勝決定戦であるスーパー・ボウルで優勝したとする。すると、他のチームがすぐにディフェンスの強化に走ってしまうことがある。こうした短期的な衝動に駆られるチームは、自らの考え方で成功をつかみ取ることはできない。

ファンやメディアからのコーチ解任やプレイヤー放出といった要求を易々と受け入れるようでは、自らが設定した目標を達成する気がないのと同じだ。「厳しい意見や、批判は多く受ける。だが計画遂行のためには、そういった逆風をすべて受けとめ、切り抜けていくしかないのだ」とあるエグゼクティブは語る。

4. 価値観を複数の方法で伝達

健全な文化の基礎はその価値観にある。スポーツ界で成功したリーダーは共通して、自らの価値観を「言葉」「日々の行動」「難局における重大な意思決定」という3つの方法で明確に伝えていた。

  • 言葉:会話では立ち振る舞いなどを交えて、言葉によって自らの価値観を明確にしていた。
  • 日々の行動:自らの行動はすべての従業員にいつも注意深く見られていることを認識していた。小さな意思決定や行動であっても、従業員はリーダーの言動に意味のあるメッセージがあるのではと注視しているものだ。
  • 難局における重大な意思決定:変革を起こそうとすると必ず難局が訪れる。既得権を侵害される人が抵抗するからだ。成功したスポーツリーダーは、そういった難局の下で意思決定する際でも、自らの価値観を行動に色濃く反映させてきた。

重要なのは、自らの価値観を部下に伝えるために、同じメッセージを複数の方向から伝えていることだ。そうすることで、部下が推測で動くことを防ぐことができている。

5. 成功を素直に祝う

スポーツチームが成功したかどうかの判断は簡単なことだと思うかもしれない。しかし、組織の立て直しのスタート時は、これが結構難しい。ちょっとした成功が、常勝軍団になるという目標の達成を保証するわけではないからだ。

小さな成功をどのように組織に伝えていくかは、リーダーにかかってくる。成功したリーダーは、ささいな成功でも見逃さず、組織全体に伝えていた。1つひとつの小さな成功は、リーダーが組織内に醸成しようとしている価値感をより明確にする。成功体験を共有することで、リーダーは自らの価値観をその組織内にしっかり植え付けることができるのだ。

6. 常識を疑い自ら考える

調査対象となったリーダーは、自分の属しているリーグや個人的な思い込みについて同じような形で自問していたことがわかった。「なぜ全試合時間の50%を走りに、残り50%をパスに使わなくてはならないのか?」「なぜパスの割合を70%にできないのか?」などだ。こうしたリーダーのいるチームは、従来の常識を疑問視し、時に他の組織がチャレンジしようとしなかったまったく新しいトレンドを創造した。これを成功させるために、リーダーは変革にチャレンジすることを恐れない人を周辺に集めてきた。自由にアイデアを交換することにより、組織の戦略を継続的に改善し、自己満足による変革の停滞を避けることができたのである。

本記事は米国の有力ITメディア「CIO INSIGHT」(提供はZiff Davis Enterprise)の記事を翻訳したものです。
ⓒ2009 Ziff Davis Enterprise, Inc.

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