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Oracle OpenWorld 2009―世界各国から4万3000人が集結、SOAベースの新業務アプリも発表

2009年10月11日〜15日 米サンフランシスコ

米オラクルの年次イベントであるOracle OpenWorld。今年の会場となったサンフランシスコのモスコーンセンターには、世界各国から約4万3000人が集結。日本からも188人の顧客やパートナーが参加した。時に嵐が吹き荒れるなど、現地はあいにくの天気が続いた。だが熱心な参加者たちは悪天候をものともせず、目当ての講演に少しでも顔を出そうと、複数の会場の間を傘を片手に奔走していたのが印象的だ。

オラクルが掲げたテーマは「Complete, Open, Integrated」。M&Aで自社の製品カバー領域を拡大し垂直統合を志向する一方、標準技術の採用でロックインを嫌う顧客に選択肢を持たせるという、昨今のオラクルの戦略をストレートに表現したものだ。

[基調講演] IBMへの対抗心をあらわに

壇上で堅く握手をするラリー・エリソン氏(右)とマイケル・デル氏 写真1-1 壇上で堅く握手をするラリー・エリソン氏(右)とマイケル・デル氏

初日に最も注目を集めたのは、オラクルのラリー・エリソンCEO(最高経営責任者)と、同社による買収に合意したサン・マイクロシステムズのスコット・マクニーリ会長の基調講演である。両氏は互いに密接な関係であることをアピールしつつ、「両社の製品や技術の融合でIBMに打ち勝つことができる」(エリソン氏)と、IBMへの対抗心をあらわにした(詳細は弊誌11月号71ページ)。

2日目はオラクルのチャールズ・フィリップス氏とサフラ・キャッツ氏の両社長の基調講演で幕を開けた。フィリップス氏は、「MySQLの行く末を心配している人は、今までのオラクルの取り組みを思い出してほしい。PeopleSoftもJD Edwardsも専属の開発チームを保有し続けている」とし、MySQLへの投資を継続していくことをあらためて明言した。一方のキャッツ氏は「我々はすべての製品分野でナンバーワンになるだけでなく、個々の製品単位でもトップを目指す。同時にオープンな技術を利用し、ユーザーの選択肢を維持していく」と語り、今回のテーマの1つであるオープンへの取り組みを強調した。

両氏の講演の締めくくりとして、同社が毎年公表している「CIO of the Year」の受賞者を発表した。同賞は、オラクル製品を利用しているユーザー企業のCIOから、北米や中南米など世界5地域ごとに毎年1人ずつオラクルが選んで表彰するものだ。日本からは、オムロン執行役員常務 グループ戦略室長である樋口 英雄氏が受賞した。

基調講演会場に集まる来場客
写真1-2 基調講演会場に集まる来場客。会期を通して世界各国から4万3000人ものユーザー・パートナーが参加した

[スペシャルセッション] IT業界の注目人物が集結

3日目以降もIT業界の主要人物が講演した。米デルの会長兼CEOであるマイケル・デル氏の講演の途中にはオラクルのエリソン氏が登壇。デル氏が「当社は自社内でオラクル製品を活用する熱心なユーザーだ」と述べると、エリソン氏は「オラクルの開発用サーバーはほぼすべてがデル製。両社はお互いの製品を使い合っており、単なるパートナー以上の存在だ」と返し、壇上で固く握手をして友好関係をアピールした。

米セールスフォース・ドットコム(SFDC)会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏の講演にも、来場者の多くが注目を寄せた。普段はクラウドの将来性を強調しがちなベニオフ氏だが、今回は「SaaSは自社運用型システムとも共存していける」と主張。それを裏付ける事実として、SFDCのサービスのトランザクションの大半は、オラクルやSAPなどの自社運用型システムからのAPI経由になっていると明かした。

実はベニオフ氏の講演は、モスコーンセンターから少し離れた会場での開催。当日は嵐が吹き荒れていたが、それでも入り口には長蛇の列ができ、700以上用意された席がすぐに埋まる人気ぶりだった。

[新製品・サービス] 新業務アプリの詳細を公表

会期中は実に47本ものニュースリリースを放ったオラクル。仮想化製品「Oracle VM 2.2」やアプリケーション統合基盤「Oracle AIA Release 2.5」などのバージョンアップをはじめ、新製品・サービスもいくつか発表された。

中でも注目株は、4日目の基調講演でエリソン氏が明らかにした、新しい業務アプリケーション群「Oracle Fusion Applications」だ。最終仕上げを急いでおり、2010年にも市場投入する。

同社のミドルウェア「Fusion Middle-ware 11g」を基盤とし、Javaを採用してゼロから開発した(EBSやPeople SoftはCOBOLベース)。SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づき機能別のアプリケーション部品の集合体として構成し、ユーザー企業は必要な部品を組み合わせてシステムを構築できる。

財務・人材管理など7分野の機能を用意する。製品のコードはほぼ完成しており、現在顧客・パートナーによるベータプログラムを実施中だという。エリソン氏はSaaSでの提供も示唆しており、今後の動きに注目が集まる。

[展示コーナー] 仮想化関連の展示が目立つ

2日目にオープンした展示コーナーも賑わいを見せた。450ものパートナー各社が出展し、訪問者に自社製品・テクノロジをしきりにアピールしていた。

目立ったのは、仮想化技術に関する展示だ。ヴイエムウェアや、オラクルが今回新版を発表したOracle VMのブースが賑わいを見せていたほか、買収で注目を集めるサンのブースでは、同社のブレードサーバーを利用した仮想環境でEBSを動作させるデモなどを展示し、多くの来場者が足を止めた。

国内大手ベンダーの中で唯一出展していたのが富士通。今後が注目されるSPARC関連の展示は影を潜めていたものの、オラクル製品の導入支援サービス「Oracle Accelerate」の展示スペースなどが人目を引いていた。

展示ブース
写真1-3 展示ブースは、複数の会場全体で450ものパートナーが出展。日本からは富士通が出展した

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