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IT人材、「数も能力も不足」とする企業が57%に達する——「企業IT動向調査2009」から

「This is IT for effectiveness rather than efficiency」─。ネットで調べごとをしていて、こんな文が目にとまった。ITへの期待は、単なる合理化効果から、事業を成功を導く手段へシフトしているという論旨の一節だ。収益への貢献、環境変化への即応、業務革新のエンジン…。表現は違えども、IT化の意義を語る時に、必ずや「経営」と表裏一体であることが強調される。

至極もっともとはいえ、その具現化は簡単ではない。「分かってはいるけれど、限られたコストと人手でやれることには限界がある」といった反論が聞こえてきそうだ。とりわけ、ビジネスと情報技術の両方に知見を持つIT人材の確保は難しい。

現場の悩みはどんなものか。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が、IT人材の数や能力の充足度について調査した結果を参照してみよう(企業IT動向調査2009、有効回答は848社)。「要員数も能力も足りている」という回答は全体のわずか6%に過ぎず、ほとんどの企業が不満を抱えている。「要員数も能力も不足している」との声が57%と最も多く、次いで「要員は足りているが能力が不足している」が22%、「能力は足りているが要員数が不足している」が15%だった。

具体的には、どんな能力を求めているのだろう。「大いに必要」とする上位には、「業務改善の提案」(51%)、「IT戦略策定・IT企画」(49%)、「IT投資案件のマネジメント」(41%)が並んだ。その一方で、実際に不足を感じている能力もこの3つである。「大いに不足している」と「不足している」を合計すると、「IT戦略策定・IT企画」(78%)、「IT投資案件のマネジメント」(75%)、「業務改善の提案」(73%)という結果になった。期待する能力として認識しているからこそ不満を感じる側面もあろうが、多くが理想と現実の隔たりを痛感していることが伺える。

このギャップを埋める現実解は、人材育成ということになるだろうか。あるコンサルタント氏は「若手に教科書的な詰め込み教育を施すのではなく、『こんな先輩になりたい』というキャリア形成のお手本、つまり実力を伴う心のヒーロー/ヒロインを1人でも多く抱えることこそが重要」と指摘する。

この記事の執筆時、世間ではマイケル・ジャクソンの追悼映画「THIS IS IT」が話題を巻いている。奇行が取り沙汰されがちな彼だが、ファンを魅了するステージ演出に知恵を絞り、自身のパフォーマンスに全力を尽くす“プロフェッショナル”としての姿勢が際立った作品だ。同様に、仕事に対する美学と熱意を持ったITリーダーが、「This is it」(もうこれまで)ではなく、「This is IT」(これぞIT)とばかりに活躍する姿を期待して、本稿を最終回としたい。

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