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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら-アイリオ生命保険 田中里枝氏が選ぶ1冊
同書で最も参考になったのは、“顧客”の考え方です。主人公は、学校や地域住民、高野連、観戦者など野球部にかかわるすべての人を野球部の顧客と定義します。そして、「顧客が野球部に求めているのは感動だ」と結論づけるんです。ここで私も考えました。システム部門にとって顧客は誰か、と。社内のユーザー部門だけではなく、その先の保険契約者も顧客なんですよね。それでは、そうした顧客は何を欲しているんだろう。この本を読んで、そういう視点を持てるようになりました。
「もしドラ」は、物語としてもよくできています。これから読む方もいらっしゃるでしょうからあまり詳しくは言いませんが、思わず涙する場面も。CIO養成講座でご一緒した受講者の間でも、「読みました? 泣けますよね」なんてメールが飛び交いました。これまで敷居が高くてなんとなく敬遠していたドラッカーですが、この本のおかげでずいぶん身近に感じるようになりましたね。次は“本家”を読まなければ。
米コカ・コーラの元社長が語る「ビジネスで失敗する人の10の法則」もおすすめです。書名には10とありますが、実際には「リスクをとるのを止める」「柔軟性をなくす」「部下を遠ざける」など11の法則を取り上げています。
同書の魅力は、なんと言っても豊富な具体例です。例えば「柔軟性をなくす」の項。1940年代、ライバル企業のペプシコが従来の2倍サイズの商品を価格据え置きで売り出した。一方、コカ・コーラは自社が長年販売してきた瓶の形状にこだわるあまり、対抗策を打たなかった。結果として、ペプシコの急成長を許してしまったんだとか。コカ・コーラというとあのガラス瓶を思い浮かべますが、永遠に正しいものはないということですね。このほか、膨大な予算を投資して開発した新商品が数カ月で生産中止に追い込まれた経緯も詳しく書かれています。苦い経験から得た教訓には、説得力がありますよ。
実務にすぐ役立つ1冊も紹介しましょう。「改訂版 情報システム部」は、企業内のシステム部門が担うべき役割や機能を解説している良書です。システム担当者に必要な知識やスキルから中期計画の立て方に至るまでを網羅してあるので、重宝しています。
ビジネス関連書ばかり挙げましたが、元々よく読むのはミステリーやエッセイなんですよ。戦国時代や幕末を舞台にした歴史ものも好きです。実は、歴史ものには学生時代は全く関心がなかったんです。それが、テレビゲームで数々の武将を蹴散らし“天下統一”を成し遂げて以来、がぜん興味が湧いて。三国志もいいですね。男らしい? ええ、社内でもよくそう言われます(笑)。
ドナルド・R・キーオ 著
山岡 洋一 訳
ISBN:978-4532314491
日本経済新聞出版社
1680円
小野 修一、松枝 憲司、鈴木 実、渡辺 和宣 著
ISBN:978-4820716464
日本能率協会マネジメントセンター
1575円
- 田中 里枝 氏
- アイリオ生命保険 情報システム本部 副本部長 兼 IT企画部長
- 2003年4月、アイリオ生命保険の前身であるエキスパートアライアンスに入社。ロードサービスシステムの構築や会員管理システムの保守を手がける。2008年8月にアイリオ生命保険に転籍し、2009年11月から現職。システム企画・運用合わせて12人のメンバーを率いている
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