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サーバー向けプロセサに新版続々 Part01

IT投資の最適化にはサーバー向けプロセサの動向ウォッチが不可欠

インテルがXeon/Itaniumの新版を市場投入。IBMとAMDも対抗製品を打ち出した。企業が最適なプラットフォームを構築するには、これら最新のサーバー向けプロセサの動向を知ることが欠かせない。

サーバー市場において、x86サーバーの存在感が増している。個人向けPCをルーツとするx86系プロセサを搭載したサーバーが登場したのは15年ほど前のこと。当初はファイルやプリンタを共有するといった部署単位で使われるに過ぎなかったが、継続的な技術進歩を重ねて、今や企業の基幹業務をも担う存在として定着した。牽引役となってきたサーバー向けプロセサの代表格がインテルのXeonシリーズである(図1-1)。

図1-1 Xeonプロセサの進化の経緯
図1-1 Xeonプロセサの進化の経緯(画像をクリックで拡大)

その最新版が2010年3月にリリースした「Xeon 7500番台」と「Xeon 5600番台」である。従来通り処理性能の向上を図ることはもちろんのこと、電力効率の追求などにも数々の新技術を注いでいる。

例えば7500番台については、「歴代Xeonの中で最大のパフォーマンス向上を果たした。5年ほど前に主流だったシングルコアのXeon搭載サーバー20台を1台にまとめられる」(インテル技術本部 副本部長 土岐英秋氏)。この集約効果は、サーバーの設置スペースやシステム稼働に要する電力消費の削減はもちろん、プロセサ課金のソフトウェアライセンス費用の圧縮にも直結する。インテルは「電力やライセンスのコストを最大90%程度削減できる」(同)という。

こうした技術革新が現実に起こっているからには、最新プロセサや、それを搭載したサーバーの動向に日頃から目を光らせておくことが欠かせない。「企業が扱うデータの量は肥大化し続け、2013年までに約6.5倍に膨れ上がる。だからこそ、拡張性や信頼性を担保しつつコストパフォーマンスに優れたITプラットフォームが必要となる」(インテルの吉田和正社長)。

しかし、そもそもXeon 7500番台と5600番台は何が違うのか。64ビットプロセサのItaniumはどうか。今後のロードマップも含め、これらプロセサの「今」を知ることは、IT投資を最適化する意味で重要だろう。

ボトムアップの進化でハイエンド領域も視野に

ここでサーバー向け最新プロセサの動向を概観しよう。

詳細はPart2に譲るが、x86系のXeonは、これまでメインフレームやRISCサーバーが担っていたような、高い信頼性や安全性が要求される領域にもカバー範囲を広げつつある。

Xeon 7500番台は「RAS(Reliability:信頼性、Availability:可用性、Serviceability:保守性)」にかかわる機能を20以上追加した。例えば「MCA(Machine Check Architecture)リカバリー」は、OSやハイパーバイザーなどと連携し、プロセサコアに障害が起きても最悪のシステムクラッシュを回避する機能だ。これまでミッションクリティカル用途のハイエンドサーバーで使われていた技術をXeonに持ち込んだ。

一方のXeon 5600番台は、仮想環境におけるセキュリティの強化が注目ポイントだ。暗号/復号処理を担う「AES-NI(Advanced Encryption Standard-New Instruction)」、正当なソフトウェアのみ実行を許す「TXT(Trusted Execution Technology)」。ともに、従来はソフトでの処理に頼っていた機能をハードウェア(プロセサ本体やチップセット)で処理できるようにした。システム全体としてのオーバーヘッド軽減や信頼性向上につながる。

なお、最上位モデルの価格は、Xeon 7500番台が33万5420円、同5600番台が15万1080円となっている(いずれも1000個受注時)。

Itaniumでも新版投入 信頼性を徹底追求

インテルはミッションクリティカル用途に照準を定めた64ビットアーキテクチャのプロセサ「Itaniumシリーズ」でも新版を投入した。2月に発表した「Itanium 9300番台」がそれで、Xeon 7500/5600番台に比べてコア数は4と少ないが、信頼性の追求をコンセプトに機能強化を図っている。例えば、自然界に存在する宇宙線がトランジスタを誤作動させるようなケースまでも対象に対策を打つ徹底ぶりだ。

もっとも、Itanium事業を取り巻く状況は決して明るくはない。マイクロソフトが4月、「Windows Server 2008 R2」を最後にItaniumのサポートを終了すると発表。レッドハットも次期OS「Red Hat Enterprise Linux 6」ではサポートしないことを表明済みだ。

搭載サーバー製品の出足も鈍い。日本HPが4月に「HP Integrityシリーズ」を発表したが、その他はNECと日立製作所がHP IntegrityをOEMとして提供するに留まる。富士通の「PRIMEQUEST」も、3月に発表した新モデルからItaniumをXeonに乗り換えた。

スペック上の優位性を示す競合プロセサ

他のプロセサベンダーも、技術革新に余念がない(表1-1)。動作クロック数や搭載コア数の違いを前面に打ち出し、インテル対抗軸を形成する。

図1-1 Xeonプロセサの進化の経緯
表1-1 IBM「POWER7」とAMD「Opteron 6100」のスペック

日本IBMは2月に「POWER7」を発表。コア数はXeon 7500番台と同じ8個だが、1コアあたりの処理数は4つで、1プロセサあたり32の処理能力を持つ。一時的に動作クロックを4.14GHzまで高められる機能や、メモリーの搭載容量の10倍まで仮想的にアプリケーションに割り当てられる機能などを備え、スペック面ではXeonの先を行く。

日本AMDはXeon 7500番台の発表2日前に「Opteron 6100シリーズ」を投入した。1プロセサあたり12個のコアを搭載し、Xeonとの差異化を図る。2011年には16コアモデルを投入予定で、“搭載コア数競争”をリードし続ける構えだ。

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