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リーダーの意識調査から見るITとビジネスのギャップ

What IT, Business Really Think of Each Other By Susan Cramm
翻訳 : 古村 浩三
ビジネス(事業)とITを融合させることの重要性は、今さら言うまでもない。そのためにビジネス(事業部門)責任者(ビジネスリーダー)とIT部門の責任者(ITリーダー)の意思疎通や協力が欠かせないことも、明らかだろう。だが欧米企業のビジネスリーダーとITリーダーを対象にした調査で、両者の意識の間にはまだまだ乖離があることが明らかになった。何がどう乖離しているのかを、対策も含めて報告する。(本誌)

ITが企業経営にとって重要な価値をもたらすことは、ビジネスとITのリーダー双方が共通して認識している。だがそのために、双方のリーダーが密接に協力しているかというと、そうとは限らない─。ITコンサルティング会社の伊バリューダンス(Valuedance)が、米経営誌ハーバードビジネスレビューの協力を得て実施した調査で、こんな実態が明らかになった。以下、調査結果を見ていこう。

ITリーダーの自己評価とビジネスリーダーの評価に乖離

調査では、まずビジネスリーダーとITリーダーが、それぞれの「ITに対する造詣の深さ(IT-smart)」を、互いにどう評価しているかを聞いた。IT-smartとは、稼働中の企業システムに関する理解はもとより、ITで可能なことの知識やITの進化の方向性に関する洞察力、ITを利用した戦略立案能力、適切なIT投資を実施して効果的な解決策を編み出す能力の総合を指す。

ビジネスリーダーに対する、ビジネスリーダー自身とITリーダーによる評価は非常に似通っている(図1)。これに対し、ITリーダーに対する評価は、ビジネスリーダーとITリーダーで大きく差が出た。

図1 ビジネス/ITリーダーのITに関する造詣の深さ(IT-smart)に関する評価
図1 ビジネス/ITリーダーのITに関する造詣の深さ(IT-smart)に関する評価

ITリーダーが自身のITへの造詣の深さを「D」(平均以下)、または「E」(悪い)と評価したのは13%。逆に「A」(最高)、「B」(良い)の合計は56%と、高い評価を下している。しかしビジネスリーダーの自社のITリーダーに対する評価は「D」と「E」の合計が27%になり、「A」、「B」の合計は38%に留まった。ITリーダーは、自分が思っているほどビジネスリーダーから高い評価を得ていないことを認識すべきだろう。

次に、ビジネスリーダーとITリーダーそれぞれの「ITへの認識」について。結論を言えば、両者による認識の差は驚くほど少なかった(図2)。例えば、「ITを競争力獲得のため武器と捉えている」のはビジネスリーダーが23%、ITリーダーが22%。「他社との差異化に役に立ち始めている」という選択肢もそれぞれ18%、21%だった。ITに対して否定的な選択肢である「コア事業の推進役にはなっていない」こそ、ビジネスリーダーが25%、ITリーダーが20%と5ポイントの差が付いたが、大きな差とは言い難い。

図2 テクノロジーをどう認識しているか
図2 テクノロジーをどう認識しているか

これに対し、ITの投資対効果を聞いた設問では、差があることに注意が必要だ。「期待以上、もしくは期待通りのROIを実現している」との回答はビジネスリーダーの57%に対し、ITリーダーは62%など、ビジネスリーダーは相対的に厳しい見方をしていることが分かる。

図3 テクノロジーへの投資によって実現できるROI(投資対効果)
図3 テクノロジーへの投資によって実現できるROI(投資対効果)
(次ページ:IT投資に責任を持つのはどちらのITのリーダーでもない?)

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