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いつまで続く変革できないシステム部門(vol.21)

ユーザーの業務ニーズや時代に適合できないことから、システム部門の抜本的な変革を求める声は、古くからあった。1990年代初めくらいの専門雑誌や出版物にはこんなタイトルが目立った。

  • 「ダウンサイジング時代をむかえ、解体を迫られるシステム部門」(1993:野村リサーチ)
  • 「解体そして再生の道探る情報システム部門」(1993:日経コンピュータ)
  • 「変革を迫られた情報システム部門の実像〜情報システム部門が崩壊する〜」(1994:戦略コンピュータ)

「解体」や「変革」、「崩壊」、「再生」などと過激な言葉が躍っている。1990年代は、バブル経済崩壊で今のように景気低迷が続き、ダウンサイジングや分散システムに伴うEUC/EUDの幕開けの頃である。しかしその時代背景だけから、これらの記事が書かれたわけではないようだ。保守的で変革できないシステム部門の体質は、それ以前から問題視されていたのだ。

自己改革は自己否定から始まる

1990年代後半以降、インターネットの普及とともに情報通信技術が著しく進展し、利活用の形態も様変わりした。変化に対応すべく、システム部門の改革に取り組んだ企業も少なくない。しかし20年近くも経て、なおこの問題が指摘されているのは一体どうしたことなのだろう。Googleで「システム部門 変革」を検索すれば100万件もヒットし、「適切な業務と役割が果たせていない」という指摘が多い。これほど目の敵にされている企業内部門も珍しい。

筆者はシステム部門の責任者になってから、システム部門の実態を肌身に感じた。個々のメンバーは総じて優秀であり、人知れずハードな仕事もしている。しかしその認知は経営者からも事業部門からも高くない。頼まれごとは従順にこなす。しかし現場にはあまり行かない。

自らコードを書いたり試作したりといった姿もほとんどなく、外注依存度が高い。実態はITスキルとは関係の薄い外注や情報子会社の管理、調整業務に追われている。今から25年以上前の、メインフレーム時代に垣間見たシステム部門とは異なっていた。企業ITの専門家として、仕事に対する自信や自負が感じられないのだ。

これは時代の変化に適合した変革が出来ていない現れだろう。ツールを作っていたメインフレーム時代から経営システムを作ることを求められる時代になった。部門向けではなく全体最適を図る役割になった。情報リスクについて責任をもつミッションも加わった。適合するためには自己改革が必要で、まず自己否定から始めねばならない。それは容易なことではない。システム部門で長く育ってきた社員は役割が変わったことを認識しつつも、きっかけがないままリアクティブな悪循環を起こしていく。これが20年にも及ぶ変革未達の現実のような気がする。

となれば変革には別のきっかけが必要だ。最初の原動機を動かさなければならない。その起動力をもっているのは経営トップである。その動力を受けて、重い動輪を動かし従輪を動かさなければならない。動輪の役割はCIOあるいはシステム部門長が担う。トップが笛を吹いても踊らないシステム部門なら、それこそ解体したほうがいい。

放置は経営者の責任が大きい

情報システムの経営インフラ化はますます進み、経営の差異化というよりは標準装備として無くてはならない存在になっている。多様な技術によって情報システムは複雑になる一方だが、システムダウンやセキュリティ問題は事業や業務に大きな障害となる。

このような状況においても経営者が直接関与せず、システム部門任せであるなら、情報通信技術を経営に効果的に活かすことなど出来るはずもない。目を向ければシステム部門の変革の遅れなどは一目瞭然のはずだ。それを放置しているのは経営者の責任である。情報子会社問題を先送りにして、放置しているのも同様だ。

CIOの存在を求めることは、悪いことではない。しかしCIOが存在しても経営トップの認識が低くければ成果は期待できない。逆に経営トップの時代認識がしっかりしている日本企業なら、CIO不在でもシステム部門長が十分にその役割を担えるはずだ。力を奮える立ち位置や環境を用意することも、経営トップの責任である。そろそろこの問題には終止符を打つべきだろう。

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