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「テンキーに訪れた転機」の巻:第16回

日々の仕事で多用している道具の1つが電卓。目下、PC接続も可能なテンキー電卓を使っているものの、またまた魅惑的な製品を見つけてしまい、心動かされる記者でありました。

 雑誌編集の職場では、ちょっとした加減乗除の計算をするシーンが多々あります。記事に割り当てられたページ数から図版スペースを差し引いて正味の執筆文字数をはじき出す。台割(だいわり=誌面構成表)を作成する際に編集/広告それぞれのページ総数を確認する。記事を執筆するに当たって、ある市場の平均成長率を算出する…。

 そんな時に編集部を見渡すと、対処法はまちまち。あくまでエクセルでやり抜く人もいれば、紙とペンの筆算で素早く済ませてしまう人もいる。かくいう私は「電卓」派です。Windows標準や携帯電話内蔵の電卓ソフトではなく、正統派の電卓。特段のこだわりがある訳ではないのですが、メモリー計算やら、べき乗/逆数計算やらの操作方法が体に染み付いていて、それを使うのが最も仕事が速いのです。家電量販店の店員さんが「お客さん、ここまでなら何とか“お勉強”しますよ」とギリギリの価格を提示するように、「真剣に数字を扱う感覚!?」が伴うのも電卓の良いところ。

写真1 愛用中のテンキー電卓はキヤノンの「KS-120TKR II」。いつも乱雑に扱っているが故障知らず。太陽電池も内蔵

 ちなみにWikipediaによると「電卓(でんたく)は、計算の補助をするための道具のひとつ。電子式卓上計算機(でんししきたくじょうけいさんき)の略であるが、1979年(昭和54年)にJIS B0117で『電卓』が正式な名称となった」のだとか。どの電卓を手にしても基本的な計算方法は同じですが、実は細かい点ではメーカーによって操作体系がやや異なるのをご存じでしょうか。大きくはカシオ系と、シャープ/キヤノン系があるようで、例えば、べき乗計算において「2の8乗」は、前者が2[×][×][=][=][=][=][=][=][=]であるのに対し、後者は2[×][=][=][=][=][=][=][=]となります(乗算ボタン[×]を押す回数が異なる)。ほかにも定数計算などで操作に違いがあります。

 かつてからシャープ/キヤノン派の私が現在使っている電卓は、キヤノンの「KS-120TKR II」というモデル。ジャンルで言えば「テンキー電卓」の範疇に入るもので、見た目は通常の電卓でありながら、いざとなればPCの外付けテンキーパッドとして使えるのが特徴です。本コラムの第2回で触れた通り、オフィスのデスクトップPCで愛用中のキーボードは東プレのRealforceシリーズ(ジャストシステムとのコラボモデル)。これにはテンキーが備わっておらず、エクセルなどで数字キーを多用する際にはやや不便を感じます。これを解消する目的もあって、この電卓を選んだのでありました。

写真2 テンキーとして使う際は、本体裏面に収納されているレシーバーをPCのUSB端子に接続してワイヤレス接続の設定をする

 PCの外付けテンキーとして使う場合は、(1)本体裏面に収納されているレシーバーを取り外しパソコンのUSB端子に挿入、(2)レシーバーと電卓本体それぞれで「Connect」ボタンを押して接続を確立--でOK。レシーバー側にあるLEDが点灯すれば完了です。この状態で電卓本体にある「PC/計算」ボタンを押せば、テンキーモードと電卓単独動作モードがトグルで切り替わります。

 例えばエクセルを起動し、電卓をテンキーモードにしておけば、ただちに数字を打ち込んでいけます。あるセルに数字を入力した後、「決定」キーを押すと下のセルに、「右矢印」キーを押すと右のセルに移動。この矢印キーがやや小さくて押しにくいので、個人的には別途「Tab」キーが付属した方が直感的に使えてよい気もするのですが…。それでも、一般的なキーボードのテンキーにはない「00」ボタンもあったりして電卓派にとってはなかなかの使い心地。また、電卓単独動作モードで計算した結果のみをPCに送るための「送信」キーもあります(この機能は普段の仕事で使ったことがないのですが…)。

 こうして毎日のように使っているマイ電卓。おおむね満足してはいるものの、「外付けテンキー」としての用途で見れば、ややモノ足りない点も…。全体の作りやデザイン、操作感などにおいては、FILCO(ダイヤテック)の「Majestouch Wireless TenKeyPad」、東プレの「Realforce23U」、ロジクールの「Wireless Number Pad N305」など、専用設計のテンキーの方が魅力的に感じてしまうのでした。店頭で実際に触れてみたところ、そのしっかりしたキータッチもさることながら、DIPスイッチで特殊キーのカスタマイズができる「Realforce23U」は、かなり心が動く存在。また私のウイッシュリストが1つ増えてしまいました。

画面 iPhoneを外付けテンキーとして使うためのアプリ「NumberKey」。Windows/Macintoshの双方で使える。これは無償版だが、有償(230円)の「フル機能版」にすれば、画面表示のカスタマイズなどが可能

 さて、ここまできて「もしかして…?」と思って調べてみると、やはりありました。iPhoneを外付けテンキーとして使うためのアプリケーションです。BALMUDA designの「NumberKey」がそれで、Windows/Macintoshの双方に対応とのこと。iPhoneにアプリを導入する一方、「NumberKey Connect」と呼ぶモジュールをPC側にインストールすることが必要です(同社サイトからダウンロード可。Windowsマシンは別途Bonjourも)。PCとiPhoneが同一の無線LAN環境にあれば設定は簡単。アドホック接続によるワイヤレスネットワークでも機能するようなので、環境面での制約はそれほどなさそう。まだ導入したばかりで本格的に使うのはこれからですが、外出先のノートPCなどで便利に使えそうです。

 ハードウェアとしての完成度が高そうな「Realforce23U」、iPhoneをうまく活用した「NumberKey」。これらの発見で、長らく使ってきたマイ電卓のレギュラーポジションが危ぶまれることになりそうな今日この頃です。

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