[シリコンバレー最前線]

新しいビジネスを創るのは「ギーク」 インキュベーターによる審査会も盛ん

2013年7月17日(水)山谷 正己(米Just Skill 社長)

米国では毎年、5月25日を「Geek Pride Day(ギークを誇る日)」として、ギーク(奇才)であることを讃え合っている。ギークが新しい時代を切り開いてきたことは間違いない。日本でも次のギークを世に送り出す機会の創出が不可欠だろう。

写真1 Geek Pride Dayを報じるABC Newsサイトのビデオニュース。スターウォーズの衣装を着たギークが、道行く車に手を振っている
写真1 Geek Pride Dayを報じるABC Newsサイトのビデオニュース。スターウォーズの衣装を着たギークが、道行く車に手を振っている。

「Geek Pride Day(ギークを誇る日)」は、映画スターウォーズの第1作『A New Hope』が封切られた1977年5月25日にちなんで設定されている。自らギークと名乗る若者たちが、買い求めたギークグッズ(ギークな衣装や小道具など)を身にまとい、町を練り歩いたりギークパーティーを催したりする。その模様はテレビのニュースで取り上げられるほどだ(写真1)。

ギークはインテリでプロとして成功が容易!?

ギークとは、どんな人たちなのだろうか。米国の大手人材紹介会社Modisが2013年4月に、18歳以上の若者1011人を対象に実施した「ギークプライド調査」によれば、ギークの資質の第1は、テクノロジに強く、好奇心が旺盛であることだ(図1)。また、インテリであり、プロとして成功しやすいとも考えている。つまり米国では、品行方正で生真面目な青白い秀才(Nerd)よりも、常道を逸した鬼才あるいは奇才であるギークであることに好感を持っているのである。

図1 ギーク1000人によるギークの資質 出所:『Geek Pride Day 2013 Survey』2013年5月、米Modis
図1 ギーク1000人によるギークの資質
出所:『Geek Pride Day 2013 Survey』2013年5月、米Modis

当然ながら、新しいものを好む。自らがギークだと認識している若者は、「スマート時計(スマホ機能を持つ時計)」や「スマート眼鏡(グーグルグラスなどスマホとカメラ機能を持つ眼鏡)」が発売されれば「すぐに買う」と答える率が高い(表1)。

表1 『Geek Pride Day 2013 Survey』によるギークの動向(調査対象1011人)出所:『Geek Pride Day 2013 Survey』2013年5月、米Modis
表1 『Geek Pride Day 2013 Survey』によるギークの動向(調査対象1011人)
出所:『Geek Pride Day 2013 Survey』2013年5月、米Modis

こうした背景には、IT業界におけるベンチャーの歴史がある。表2は、新しいビジネスを起業し、世の中を変えてきた主な人物の生年月日と彼らが青春時代(20代)を過ごしたころのIT環境をまとめたものである。これを見れば、青春時代に夢中になったIT環境が、その後の起業の大きな要因となっていることが分かる。

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