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「BPMはこれからの情報システムに必須の要素だ」─富士通がBPMソリューションの説明会を開催

2013年9月2日(月)IT Leaders編集部

富士通は「競争優位を実現するこれからのシステム像~ビジネスプロセスマネジメント基盤(BPM)~」と題し、BPMソリューションに関する説明会を開催した。

 要約すると①環境変化が目まぐるしい中、企業ITに求められるのは変化対応力(俊敏性)である、②富士通は、それを実現するためにIT全体のモダナイゼーション(近代化)を提唱・推進している、③モダナイゼーションの中核の1つがBPMである、④BPMのソリューション(製品とサービス)として3種を用意し、2200人のIT技術者に教育を終えている、といった構成だ。

 しかし変化対応力や俊敏性へのニーズは今に始まったことではないし、日本ではなかなか広く普及しないBPMも、実のところ10年以上前からあるソリューション。なぜ今、BPMなのか?富士通が言うモダナイゼーションとBPMは、どう関係するのか?あるいは3種類という複数のソリューションを用意する狙いは何なのか?BPMのトレンドを理解する一助になるという意味も含めて、説明会の内容をもう少し詳しく紹介しよう。

競争力の強化に向け、企業ITには俊敏性が必要

 「企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、情報システムが変化対応の足かせになっている面があります。サイロ化し、複雑化し、硬直しているので、一部を変更するにも時間がかかるのです。そうなった責任は我々、ITベンダーにもあると考えており、企業と一緒に解決に向けて取り組まなければなりません。モダナイゼーションというシステム近代化はそのためのアプローチであり、具体的なシステム像として我々は”Nextアーキテクチャ”を提示しています」(富士通SI技術本部シニア・バイスプレジデントの中村記章氏、写真1)。

 ここで言う環境変化とは、グローバル化の進展や人口動態の変化、経済のデジタル化など。それに対応するべく既存システムを改変したり、新システムをリリースしようにも、データの統一性がない、システムの構造やUI、IT基盤もバラバラ、といったことから時間とコストがかかってしまう。それが「足かせ」というわけだ(図1)。脱却するためには、既存システム資産を棚卸しし、可視化・整理するモダナイゼーションが必要になるという。

図1

 「企業の競争力の源泉となる3要素、すなわち顧客との緊密な関係作り、強い製品・サービス、業務の卓越性をサポートするために、モダナイゼーションが必要です」(同)。その中身は「サービス指向アーキテクチャ(SOA)やデータ統合などの技術を使って、情報システム全体を疎結合型の構造にすることです」(同)。このような構造を富士通は現状のAsIsの次のステップという意味を込めて、Nextアーキテクチャと呼んでいる(図2)。

図2

 ではなぜ今、BPMなのか。疎結合型の構造に移行すれば情報システム全体の柔軟性は高まるが、それだけでは不十分。「銀行や保険など金融系の例が分かりやすいのですが、例えばモバイルによるセルフサービス型の入金処理や保険請求処理を想定しましょう。この際、すべての顧客に同じ手続きの処理プロセスを提供するのではなく、個々に最適な手続きを用意するべきです。それを弾力的に変える必要もある。日本ではまだこれからですが、欧米ではこうしたニーズを背景にBPMの採用事例が増えています。この点でBPMはNextの必須要素の1つなのです」(同、図3)。

図3

 その後、中村氏は、4件のBPM事例を説明。紙ベースの手作業で行っていた口座開設業務をシステム化して開設に要する時間を17時間から6時間に減らした金融業、カタログの制作業務を7ヵ月から4.5ヵ月に短縮した通販会社、スペア部品配送を迅速化した医療機器の流通業者、新ビジネスを2ヵ月で開始したネット販売事業者、の4事例である。このうち国内の事例は通販会社だけで、それ以外は海外の事例だった。

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