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「なぜデータの分析・活用は進まないのか?」 原因を考え抜いたツールを前田建設が販売へ

2013年9月9日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

“ビッグデータ”というほど大規模ではないものの、企業が日々の業務で獲得・蓄積する大量のデータ。その分析や活用はできているだろうか?――。この問いに自信を持って「Yes!」と回答できる企業は少数派だろう。

 

 日本データマネジメントコンソーシアムが2013年1月に実施した調査によると、「データ分析や活用は重要であるとの認識が全社に浸透しており、実践している」企業はわずか7.8%。逆に「データ分析や活用が重要であるとの認識は必ずしも広がっておらず、実践している部門は多くない」企業が44.5%を占めるのだ。

 1990年代のデータウェアハウス(DWH)、2000年前後のデータマイニング、2000年代半ばのBI(ビジネスインテリジェンス)やBA(ビジネスアナリティックス)、そして最近のビッグデータ。こういったデータ分析/活用のトレンドを経てなお、このレベルに留まっている実情をどう考えればいいのだろうか。

 「データの分析や活用は必要ない」、あるいは「優先度が低い」と、企業が考えているわけではない。消費者や顧客のニーズが目まぐるしく変わる中、むしろデータに基づいて仮説を導出し、実践して検証するためにデータ活用の意味は大きくなっているはずだ。

 この”矛盾”について、BI/BAに詳しい三菱総合研究所の百瀬公朗コンサルティングディレクターは、こう解説する。「データを重視しない社風やビジネス慣習も影響していますが、実はそれ以上にデータ分析や活用のIT環境を整備する際に見落とされがちな問題、つまり壁があります。この壁のためにデータ活用が進まず、お金をかけて構築・整備した分析環境も十分に生かされないまま、単なるレポーティング手段になってしまっている。それ理想と現実の乖離が大きい原因です」。

 そんな中、前田建設工業が「Data Integrator(DI)」というソフトウェアを製品化した。百瀬氏の指摘する壁を、乗り越えられるポテンシャルというか、コンセプトと機能を備えているのが特徴だ。少し前置きが長くなったが、そもそも「壁」とは何か、そしてDIとはどんなツールなのかを紹介しよう。

BIを阻害する、3つの「壁」とは?

 まず「壁」について。その1つがデータの抽出や変換、取得に関わるものだ。生産管理や販売管理、会計管理などの業務システムが管理・蓄積するデータは、一貫性を維持したり処理効率を高めたりするために、ほぼ例外なく「正規化」という加工が施されている。コンピュータにとって都合がよいデータ形式であり、利用者が見たい形式ではない。このため利用者が分析できるようにするには、データの非正規化が必要になる。DBからデータを抽出して形式を変換し、DWHに格納する際に「ETLツール」と呼ばれる専用ツールが必要になる理由の1つが、これである。

 しかしETLツールの導入や設定作業には、専門知識が必要になる。業務システムのDB数やデータ項目数が多くなればなるほど、その作業量は膨れあがり、外注すればETLツールのラインセンス費も含めて高額になりがちだ。多くの場合、費用を圧縮するために特定のDBやデータ項目に絞ってDWHに格納する「データマート」に落ち着く。そうなると「多様なデータを自由な切り口で分析する」という当初の目標からは遠ざかり、「せいぜい定型的なレポートを出力するか、決められた範囲で加工/分析するというレベルに留まってしまいます」(DIの開発を主導した前田建設工業の石黒健CDS事業部長)という。

 複数の基幹システムに蓄積されているデータを横断して分析できるようにするとなると、ハードルはさらに高くなる。多くの場合、複数のDBに横串を刺して検索や分析を行うためのキー項目は存在する。顧客管理DBにある「顧客コード」と、販売管理DBにある「納品先コード」がその例だ。しかし、この例から推察できるように同じ意味でもキー項目名(表記)が統一されているとは限らない。これが2番目の壁である。

 言うまでもなく、データの意味を理解している利用部門の担当者が見れば、項目名が違っていても同じことを示すデータであることは分かる。しかし情報システム担当者や外部のエンジニアからすれば、表記が違えば異なるデータに見えてしまいがちだ。このため複数のシステムのデータを横断的に分析するのが難しくなってしまう。業務や部門を超えて、いわゆるメタデータを定義したり、利用部門とシステム部門がしっかり議論すれば乗り越えられる壁ではあるが、現実には簡単ではない。

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前田建設 / DWH / データマート / アナリティクス / JDMC / BI / 三菱総合研究所

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