[加藤恭子のマーケティング志向で行こう!]

専門的なビジネスでも重要な「普通の、大多数の人の感覚」

2013年11月12日(火)加藤 恭子(ビーコミ 代表取締役)

情報発信においては、とかく“玄人受け”したいと考える傾向があるのではないでしょうか。しかし、重要なのは多数派の感覚を忘れないことです。今回はそんなテーマを取り上げます。

実は今回の原稿、締切直前までテーマが定まらずに困っていました。どうやら「考え過ぎ」に陥ってしまったようです。あっと驚く、誰もが知らないことを書こう、他に載っていない、マーケティングに詳しい人もうなるようなモノを書こう─そんな風に思ったら、「あ、このネタもダメだ」「これも何だか誰でも知っていそう」などと、自分のアイデアへのダメ出しが続き、進まなくなってしまったのでした。

これって、私は誰にも答えられないようなクイズ問題を考えるようなことをしていたのかもしれません。難しすぎるものや特殊にすぎるものを問題にすると、それを解したり、楽しんだりできる人がいなくなってしまうというわけです。

料理のレシピにも似たところがあります。短い時間で簡単に作れるレシピ本が大人気で、高度なテクニックや珍しい食材を必要とするようなレシピ本はあまり多く見かけません。レシピ情報サイトのクックパッドで検索しても、電子レンジやフライパン1つで簡単に作れるレシピが人気ランキングの上位を占めています。学習本でも同じで、著名な専門家が書いたハイレベルな英語学習本と、初心者向けの英語学習本とでは、後者のほうがより冊数が出る傾向にあります。

これは、ハイレベルな内容を必要とする読者よりも、初心者クラスの読者のほうが圧倒的に多いからですね。他には旅行本もあてはまります。マニアックな場所もたくさん掲載されている分厚いガイドブックよりも、「行っておくべき」「多くの人が行く」名所に絞ってコンパクトにまとめられた薄手のガイドブックのほうが、より多くのニーズがあります。

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