[ザ・プロジェクト]

富士電機、合併で林立した販売管理システムを統合

2014年2月17日(月)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)

社会・産業インフラやパワーエレクトロニクス機器、半導体などの幅広い分野で、機器やシステムを製造・販売する大手電機メーカー・富士電機。純粋持株会社制の解消に伴い、複数の会社を吸収合併。各社の業務システムが併存する状況になった。業務領域ごとにシステムを統合する取り組みの一環で、販売管理システムを統合した。プロジェクトの指揮をとった、川端淳夫氏、植村和久氏、溝口昌志氏の3人に話を聞いた(文中敬称略)。(聞き手は本誌編集長 川上潤司)

事業会社ごとに個別最適化したシステムを統合、標準化

川端氏
富士電機ITセンター
代表取締役社長
川端淳夫氏

―販売管理システムを刷新したそうですね。

川端:はい。これまで社内に林立していた6つの販売管理システムを統合し、「新MOTHER」を構築しました。新システムには「プラント手配」「コンポーネント手配」「海外」の3つの機能を持たせています。

―なぜ、販売管理システムが6つも?

川端: もともと、富士電機は純粋持株会社制を敷いていましたが、2011年に再統合し、事業会社や直系特約店を吸収合併したのです。

 各事業会社は、それぞれ自社の業務に特化したシステムを持っており、当然、合併するにあたって、それらを富士電機のシステムと統合する必要がありました。ただ、当時は構造改革の真最中で、とにかく動かすことが最優先でした。業務プロセスやシステムを構築しなおす時間的余裕がなく、それぞれの基幹システムをつなぎ合わせて、使っていたのです。

植村: ただ、全体最適を考えれば、そのままにしておくわけにはいきません。一部のシステムは、メインフレームを使っており、データ活用やグローバル戦略の足かせになっていました。そこで、抜本的なシステムの再構築を経営層に提案したのです。

川端: 提案が受け入れられ、2009年後半から2012年にかけて「1業務領域、1システム化」の取り組みを始めました。40あまりの業務領域ごとに、システムを統合し、国内外各社が共同利用するのです。販売管理システムの統合もその一環です。

図1:プロジェクトの概要

●Next:新システム「新MOTHER」の詳細と狙い

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