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ヴイエムウェアがドッカーと協業し、VMware環境でのDockerの稼働を正式サポートへ

2014年8月26日(火)河原 潤(IT Leaders編集部)

米ヴイエムウェアは2014年8月25日(米国時間)、サンフランシスコで開催中のVMworld 2014において、オープンソースのコンテナ型仮想化技術「Docker」プロジェクト開発ベンダーの米ドッカーとの協業を発表した。協業にはグーグルとピボタル(Pivotal)も含まれ、今後、VMware環境でのDockerの稼働が正式にサポートされるほか、各社の技術を組み合わせたコンテナベースの新しいアプリケーション・デリバリ技術の登場が期待される。

 Linuxカーネルに備わるLXC(Linuxコンテナ)が源流のDockerは、最近、注目度が急上昇しているオープンソースのコンテナ型仮想化技術である。同技術はOSやミドルウェア、アプリケーションなどを格納した「コンテナ」を実現し、対応する稼働プラットフォームの上で、高い可搬性をもって稼働させることができる。

 知名度が大きく高まり、Dockerを、VMwareに代表されるハイパーバイザー型仮想化の競合技術とみなす向きも増えている。だがここにきてヴイエムウェアがとった戦略は競合ではなく協業だ。ヴイエムウェアは、ドッカー、グーグル、そしてヴイエムウェアとEMCの合資会社であるピボタルと組むことで、エンタープライズ(大規模システムを運用する企業)の要件を満たした、Dockerコンテナ稼働プラットフォームを提供していく構えだ。

 具体的には、先日発表された、VMware vSphereを基盤とするハイブリッドクラウド・サービス「VMware vCloud Air」(旧称:VMware vCloud Hybrid Service)を含むVMwareプラットフォーム上で、Dockerコンテナに格納されたアプリケーションの稼働・運用管理をサポートしていくとしている。発表された主な取り組みは以下のとおり。

●ヴイエムウェアとピボタル、ドッカーが共同で、Dockerのオープンソースプロジェクト「libswarm」「libcontainer」「libchan」へのコントリビューションを行う

●上記のコントリビューションには、Dockerの心臓部たるコンテナ機能ライブラリのlibcontainerの拡張も含まれる。そこではヴイエムウェアからピボタルに移管されたオープンソースのPaaS構築ソフトウェア「Cloud Foundry」の開発経験・能力が生かされることになる

●ヴイエムウェアとドッカーが共同で、「Docker Hub」(Dockerコンテナをクラウドに公開するためのツール)とVMware vCloud Air、「VMware vCenter Server」「VMware vCloud Automation Center」などの各種ヴイエムウェア製品間の相互運用性向上の取り組みを促進する

●ヴイエムウェアが、グーグルのDockerコンテナ管理フレームワーク「Kubernetes」の開発コミュニティに参加し、ソフトウェアパターンやAPI、ツールなど同コミュニティの成果物をエンタープライズ用途で利用できるようにする

●ヴイエムウェアとグーグルは共同で、オープンソースの仮想スイッチ構築ソフトウェア「Open vSwitch」におけるPod(クラウドのスケーリング技術および単位。仮想スイッチではラックに相当)ベースのネットワーキングモデルの開発に着手する。これは、DockerでKubernetesのマルチクラウド統合技術を利用可能にするための取り組みである

スローガンの「Build, Ship and Run Any App, Anywhere」が掲げられたDockerのWebサイト
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