[市場動向]

米HPが会社分割を発表、エンタープライズIT事業会社とPC/プリンタ事業会社の2社体制に

2014年10月8日(水)河原 潤(IT Leaders編集部)

米ヒューレット・パッカード(HP)は2014年10月6日、全社組織を2社に分割すると発表した。2015年会計年度内に企業IT事業のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(Hewlett-Packard Enterprise)と、PC/プリンタ事業のHPインク(HP Inc.)の2社体制となる。

写真1:ヒューレット・パッカード・エンタープライズの社長兼CEOに就任するメグ・ホイットマン氏(出典:米HP)

 先日から噂のあったHPの会社分割が正式に発表された。

 同社2014年10月6日付けプレスリリースによると、HP会長・社長兼CEOのメグ・ホイットマン(Meg Whitman)氏(写真1)は今回の会社分割について、「株主に向けて長期的な価値を生み出しながらエンタープライズ市場と顧客のダイナミクスに迅速に適応していく過程で、ビジネス上の注力、財源、柔軟性を2つの新会社に与える戦略的なステップである」と説明している。

 会社分割は、HPの2015年会計年度終了(2015年10月末日)までに完全実施される。企業IT事業を担う新会社、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(Hewlett-Packard Enterprise:HPE)は、サーバー、ストレージ、ネットワーキング、統合型システム、OpenStackベースのHP Helionプラットフォームを含むサービス&ソフトウェアの各事業においてHPが築いてきた主導的ポジションの上に構築されるとしている。

 ヒューレット・パッカード・エンタープライズの社長兼CEO(最高経営責任者)にはホイットマン氏が、代表取締役会長にはHP取締役会メンバーのパット・ルッソ(Pat Russo)氏がそれぞれ就任する。

写真2:HPインクの社長兼CEOに就任するディオン・ワイスラー氏(出典:米HP)

 もう一方の新会社、HPインク(HP Inc.)は、3Dプリンタや新世代のPC/タブレットといったコンシューマー分野の新興/成長市場に注力する。

 HPインクの社長兼CEOには、現在、プリンティング&パーソナルシステム事業トップのディオン・ワイスラー(Dion Weisler)氏(写真2)が就任し、取締役会長にはホイットマン氏がヒューレット・パッカード・エンタープライズの社長兼CEOとの兼務で就く。

画面1:現在、HPのWebサイトのトップ。最もホットな市場と言われる3Dプリンタをはじめコンシューマー分野の新興/成長市場を担うのは同社の原点とも言えるHPインクだ
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