[海外動向]

【PARTNERS 2014報告】危機とチャンスが同居する時代、今こそ「データ駆動」の経営/事業を!

2014年11月5日(水)田口 潤(IT Leaders編集部)

米Nationwide Insurance、X PRIZE財団のCEO、そして米テラデータ(Teradata)の経営陣。テラデータのユーザー会が主催する「PARTNERS 2014」の基調講演は実に盛りだくさんの内容だった。一体何が語られたのか。テーマは「Data Driven(データ駆動)」だったが、それ以上に「Critical Feeling Driven(危機感駆動)」があるように感じられた。

図2:KodakとInstagramの対比図2:KodakとInstagramの対比
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・米Kodakは1996年に280億ドルの時価総額を誇った。研究所がデジカメを発明したが、取締役がそれを無視し、2012年に破産法を申請することになった。一方、写真共有サイトの米Instagramは10億ドルでFacebookに買収された(図2)。ビデオレンタルの米Blockbusterは、Netflixが登場して数年後に破産した。これらが今起きていることだ。統計上、10年でFortune500の40%は消える。これからも似た話がもっと出てくるだろう。

・あらゆることがデジタル化され、電話やカメラ、車や宿泊先の予約さえポケットに入る機器でできるようになった。Watsonのような人工知能も同じ。スマートフォンから操作できる。人間の記憶には限りがあるが、Watsonにはそれがない。あらゆるところとつながっていく。

図3:センサーの進化がもたらす変化図3:センサーの進化がもたらす変化
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・センサーなどデバイスの進化もすさまじい(図3)。Kodakのデジカメの試作機に比べ、現在のデジタルカメラはすごく小さくなっている。今後さらに小さくなる。ロボティックスも同様だ。電気自動車メーカーの米Teslaの工場は、さながらロボットの展示場である。Googleの自動運転車もすべてを理解して運転している。3Dプリンタがここに加わり、10兆ドル(!)のビジネスになる。

・状況をまとめると4つの洞察が得られる。(1)変化は継続するだけでなく、そのレートが加速している、(2)自分の会社や製品を自ら破壊するしかない。そうでなければ誰かが破壊する、(3)競争相手は他の大手企業ではない。デジタルでエンパワーされた起業家である、(4)会社に頼るのは危険でさえある。

図4:世界の人口とネットユーザーの推移図4:世界の人口とネットユーザーの推移
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・何より注目するべきは、新興国などに住む30億人がこれからオンラインでつながることだ。となればクラウドソーシングの可能性は無限である(図4)。なぜ皆がエキサイトしないのか不思議だ。私は1996年にX PRIZEを創設した。XPRIZEは高額賞金に目が行くが、そうではなく、テーマの社会性、ユニークさに動機付けられたクラウドソーシングの試みだ。例えば、高度100kmの宇宙に行き、帰還できたら賞金1億ドルを授与する。これは最初の課題だが、素晴らしい成果を得ることができた。今、教育分野などでXPRIZEを募っている。

 必ずしもAnalyticsやビッグデータとは直接関係ないストーリーだったが、シリコンバレーでイノベーションの先頭にいる氏の話は刺激的だった。実際、途中で席を立つ人は皆無に近かった。

Teradataの幹部3人の講演

 PARTNERSの基調講演では、テラデータのCEOであるMike Koehler氏、研究部門のトップであるScott Gnau氏、マーケティング製品トップのDarryl McDonald氏ら幹部3人が講演した。

CEOのMike Koehler氏

●写真4:テラデータCEOのMike Koehler氏●写真4:テラデータCEOのMike Koehler氏
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・銀行や流通、運輸、自動車など、あらゆる業種でデジタル化が進んでいる。リアルタイムでデータにアクセスし、可視化されるようになった。ある自動車メーカーはバッテリーにセンサーを搭載し、特定のバッテリーに不具合があることを検出することで、リコール台数を3分の1で済ませられたほか、顧客(自動車ユーザー)への影響も最少化した。

・市場の振る舞いを分析することが競争優位につながる−−そんな認識がCEOやCFOなどCレベルの人たちに広がっている。Analyticsにより企業は生産性を5%以上高め、利益を6%増やせる。わずかな数字だが,厳しい競争環境では、この数字は大きい。

・Analyticsで大事なことは“Fail Fast(失敗するなら、できるだけ早い段階で失敗せよ)”だ。そのためにも、Analyticsのエコシステムが重要だ。テラデータは、そのための技術や製品を提供してきた。2008年は性能やデータ容量など、ワークロードごとにプラットフォームを用意した。

・2010年にはDBのリプリケーションや仮想化製品を主力とするXkoto社を買収し、複数のデータプラットフォームを連携できるようにした。2011年にAster Dataを買収し、構造データと多構造データを統一的に扱えるUDA(Unified Data Architecture)を発表した。

・2014年は、QueryGrid、LoomなどでUDAをさらに発展させた。データから最大の価値を引き出すのが使命だ。技術だけではない。コンサルティングを強化するため8月にはThinkBigというHadoopのコンサルティング会社を買収した。皆さんがデータドリブンのビジネスを実践できるように、企業が曲がり角の先を見通せるように支援していく。

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