[ユーザー事例]

アサヒグループホールディングス、中堅グループ企業の基幹システムを刷新

2014年12月15日(月)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)

アサヒグループホールディングスは、ニッカウヰスキーや和光堂などグループ中堅企業5社の業務システム刷新を進める。これまで各社が個別に導入してきたシステムをパッケージソフトでリプレース。グループ内で標準化し、ITコストの削減を図る。業務プロセスの効率化も並行して進める。アサヒグループホールディングスの齋藤宏樹氏に聞いた。

アサヒホールディングス 齋藤氏アサヒグループホールディングス IT部門 マネジャー 齋藤宏樹氏

 アサヒグループは2011年、ホールディングス体制へ移行。以後、コスト削減や業務プロセス改革を目的として、各事業会社のIT資産の統合や標準化を進めている。

 第4次中期経営計画(2010年~2012年)では、アサヒビールやアサヒソフトドリンク、カルピスなどの業務システムを標準化した。続く2012年~2015年の中期経営計画では、グループ中堅企業5社の業務システム統一に着手。目下、取り組みは佳境を迎えているところだ。

 対象はニッカウヰスキー、天野実業、和光堂、アサヒフードアンドヘルスケア、エルビーの5社。個別導入していた販売物流、生産購買、原価管理などのシステムを東洋ビジネスエンジニアリングの基幹業務パッケージ「MCFrame」に置き換える。

 プロジェクトは2012年にスタート。すでに、エルビーでは同年中に販売物流のシステムを導入を終えた。ニッカウヰキー、天野実業も2014年にリプレースを完了。現在は2015年1月の和光堂での本稼働開始に向けて、着々と準備を進めている段階だ。

 「乱立したシステムを標準化して管理コストの削減を狙った。基幹システムのリプレースをきっかけに、既存の業務プロセスを改善することも狙った」。プロジェクトを主導したIT部門の齋藤宏樹マネジャーは、プロジェクトの目的をこう説明する。

導入上の工夫1:社長主導プロジェクトの体制を採った

 プロジェクトを進める上で、齋藤氏らはいくつか工夫を凝らした。1つめはプロジェクトの位置付けだ。ホールディングスのIT戦略は前面に押し出さず、各事業会社の経営課題を解決するためにシステムを刷新するという体裁を採った。

 これは主に現場の支持を得るためだ。新システムを導入すると多少なりとも業務の手順も変化せざるを得ない。今回はシステム導入をテコに各社の業務効率化も狙っているのでなおさらだ。一方、現場の人間は慣れ親しんだ業務プロセスの変更を嫌う。

 システムの導入に合わせて業務プロセスを変更する、あるいは、システムの入力項目を変更するといった際、ホールディングスの都合でシステムを刷新しているという体裁では現場の協力を得る妨げになり、システムの利用率も高められないと考えた。

 各事業会社のトップにプロジェクトの旗振り役を担ってもらうため、システム刷新と経営課題の解決を一致させるよう工夫した。例えば、各社の既存システム改修などを見計い、既存システムを使い続けるより、運用コストを削減できることを示した。

 また、事前に経営課題をヒアリング。具体的には「システムが属人化しており必要なデータを素早く取り出せない」「各部署の報告に整合性がない」といった悩みが各社から寄せられた。システムの刷新により、そうした課題が解決できると提案した。

この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
  • 1
  • 2
関連キーワード

アサヒグループホールディングス / アサヒビール / 飲料 / 製造 / 基幹システム / mcframe / B-EN-G

関連記事

トピックス

[Sponsored]

アサヒグループホールディングス、中堅グループ企業の基幹システムを刷新アサヒグループホールディングスは、ニッカウヰスキーや和光堂などグループ中堅企業5社の業務システム刷新を進める。これまで各社が個別に導入してきたシステムをパッケージソフトでリプレース。グループ内で標準化し、ITコストの削減を図る。業務プロセスの効率化も並行して進める。アサヒグループホールディングスの齋藤宏樹氏に聞いた。

PAGE TOP