[海外動向]
国家戦略「インターネット+」のカギを握る、中国3大ネット企業の最新動向
2015年3月30日(月)魯 玉芳(IT Leaders編集部)
中国国務院(日本の内閣に相当)総理の李克強氏は2015年3月5日、2015年の政府工作報告(国務院が主導する行政報告)で、「互聯網+(以下:インターネット+)」という新しい行動計画を掲げ、モバイルやビッグデータ、IoTなどを駆使した経済成長を促進する構えだ。中国のインターネット企業と言えば、アリババ、テンセント、バイドゥが思い浮かぶ。インターネット+戦略を牽引するであろう3社の最新動向を紹介する。
「インターネット+」行動計画とは
政府工作報告では、インターネット+について下記のように記されている。「モバイルインターネット、クラウド、ビッグデータ、IoTと近代製造業とを連携させ、ECや業界向けインターネット、インターネット金融などの健全な発展を促進する」
「健全な発展」の言葉の背景には、中国のネット業界におけるさまざまな問題が存在している。例えば、アリババは上場直後、ECサイトのTaobao.comで偽物商品の販売が問題になり、米国弁護士団体から訴訟された。最近では、シャドーバンキング(銀行や証券会社を介さない金融取引)やオンライン決済による詐欺などが社会問題となっている。
今までの中国政府であれば、新たに噴出した問題を単純に塞ぐ手段を取るばかりだった。だが、今回は「堵不如疏(塞ぐより、通す)」ということわざのような方針で、最新ITの力を借りながら業界の健全化と経済の発展を両立させる姿勢だ。
2014年を振り返ると、中国インターネット経済の市場規模は8706億2000万人民元(約16兆9679億円)だった。そのうち、PCとモバイルデバイスの割合は、PCが74.4%で、6477億3000万人民元(約12兆6239億円)、モバイルデバイスが25.6%で、2228億9000万人民元(約4兆3440億円)だった。
また、業界別に見ると、ECが54%を占め、インターネット広告が18%、オンラインゲームが13%、オンライン決済が4%、その他が11%だった(図1)。
では、以下より、中国のインターネット経済を支える大黒柱である中国3大企業の主な事業と最新動向をチェックしてみよう。
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