[2020年を見据えた「グローバル企業のIT戦略」]

【第19回】IoT時代のシステム構築はイベントドリブン型になる

2015年5月11日(月)入江 宏志(DACコンサルティング 代表)

2020年を見据えた「グローバル企業のIT戦略」を取り上げる本連載。IT戦略における日本と世界の差異を見極めるための観点としてこれまで、クラウド、GRC(Governance、Risk Management、Compliance)、ビッグデータの各テーマについて論じてきた。今回からは、「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」をテーマに、その本質や、IoT活用の新しいアイデア、IoTによる技術変革、人への影響や人工知能/ロボットとの関係などを考えていく。まずはIoTの本質に迫るため、IoTに関連する用語を確認したうえで、IoT時代のITシステムの仕組みを説明する。

 IoTは、「Internet of Things:モノのインターネット」の略である。IoTデバイスあるいはセンサーが、周囲の状況を感知し、データを送信する。集めたデータ群はビッグデータとして分析される。この分析は「Big Data Analytics」と呼ばれる。

M2M、SoLoMo、SMBC、SMACなど、
すべてがIoT関連用語に

 ビッグデータ関連用語がIoTの説明に登場するように、IoT関連用語は多数存在する。例えば、M2M(Machine to Machine)がその1つ。通信機能を備えた電子機器や装置などが相互にデータをやり取りし、データを処理する仕組みを指す。自動販売機の商品補充やトラックの配送ルートの最適化など、IoTが今ほど注目される以前から使われていたが、今ではIoTと並列に並ぶ。ただIoTに比べ、処理する仕組みまでを含んで使われることが多い。

 「SoLoMo」という言葉がある。Social Location Mobileの略で、2012年頃から使われている。狭義の定義では、位置情報を利用したソーシャルアプリケーションを指し、マーケティングの世界でも使われてきた。SoLoMoがIoT関連用語に挙がるのは、その基盤としてIoTデバイスが組み込まれたモバイル機器が不可欠だからだ。

 「SMBC」「SMAC」もIoTの文脈で登場する。前者は、「Social、 Mobile、Big Data、Cloud Computing」の頭文字を取ったものだ。メガバンクの略称と同じになるため、日本のIT業界の一部で多用されている。後者は「Social、Mobile、Big Data Analytics、Cloud Computing」の頭文字で、グローバルでは、この「SMAC」が標準だ。Securityの要素を取り入れ「SMACS」とするケースもある。

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