[2020年を見据えた「グローバル企業のIT戦略」]

【第20回】IoT活用で問われているのは発想力、ブレインライティングが有効

2015年6月1日(月)入江 宏志(DACコンサルティング 代表)

2020年を見据えた「グローバル企業のIT戦略」を取り上げる本連載。IT戦略における日本と世界の差異を見極めるための観点としてこれまで、クラウド、GRC(Governance、Risk Management、Compliance)、ビッグデータの各テーマについて論じてきた。前回から、「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」をテーマに切り替え、IoT時代の新しいITシステムの仕組みを説明した。今回はIoTを活用するための新しいアイデアについて考えてみる。

 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)が進展していくと、世の中がどうなるのかを想像するのは容易ではない。今でこそ、インターネットは当たり前の存在になっているが、その出現以前に、現在のような状況を予見することが難しかったのと同様だ。

IoT+イベントドリブン型の取り組みは始まっている

 加えて前回、IoT時代のITシステムは、イベントドリブン型にせざるを得ないと指摘した。既にIoT型のシステムとして紹介されている既存の事例のなかには、イベントドリブン型システムの初期の形と言えるものが見られる。そのいくつかを、まずは見てみよう。

事例1:歩行者に合わせて切り替え時間が変わる信号機

 信号が青から赤に変わる時間は、設置場所の道路環境や交通量に応じて予め設定されている。これがIoTであれば、お年寄りなど足の遅い人が横断歩道を渡る際には、青信号の点灯時間を長くする信号機がかつて研究されていた。カメラにより人間の存在を認識する部分がIoTであり、歩いている人の動きがイベントだ。

事例2:サイズにあった衣類の提案

 米百貨店Bloomingdaleでは南カリフォルニアの2店舗に、身体の20万カ所を測定する3Dスキャナーを設置している。米MeAlityが提供するシステムで、測定後は、ぴったりフィットする商品を取り扱いブランドから選び出し一覧表を提供する。衣料ブランドによってサイズの表示方法が違うため毎回、試着するといった手間を省けるのが特徴だ。3Dスキャナーによるデータ取得がIoTであり、サイズの入手または顧客への提示がイベントだ。

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