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"https Everywhere"を目指して―サイバートラストとDigiCertが提携

2015年10月8日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

Webサイト、特に個人情報を扱うECサイトのログインページなどには、多くの場合SSL証明書が使われている。時々、ブラウザーのアドレスバーが緑色になることがあるが、これはそのページがSSLサーバー証明書で安全性が保証されていることの証だ。この証明書を発行しているのは認証局といわれるところで、複数のセキュリティベンダーが認証局としてSSL証明書をユーザーに発行している。国内で電子証明書発行サービスを展開する1社であるサイバートラストは、企業認証付SSLサーバー証明書で世界2位のシェアを持つ米DigiCert社と提携し、より信頼性の高い証明書の発行を可能にした。

電子証明書の「思考のリーダー」

 SSL(Secure Socket Layer)は、インターネット上で情報を暗号化してやり取りする仕組みのことだ。Webサーバーに対して発行されるSSLサーバー証明書は、加えてWebサイトの運営者の身元を確認する機能を持っている。多くの場合、個人情報を扱うパスワードやカード情報などを入力するフォームが用意されたページに用いられ、「盗聴」「改ざん」「なりすまし」「事後否認」といったリスクから利用者を守っている。

 サイバートラストは、SSLサーバー証明書の認証サービスや電子署名サービスを国内展開するセキュリティベンダー。国内初の商用電子認証局として1995年から、PKI(公開鍵暗号基盤)やSSLサーバー証明書を提供してきた。同社は、2015年7月に米DigiCertとの提携を発表している。DigiCertは、電子証明書利用のガイドラインを作成する認証会社とブラウザー会社による任意団体CA/Browser Forumの設立メンバーでもある、グローバルで展開するセキュリティベンダーだ。

John Merrill COO(右)とDan Timpson CTO
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 DigiCertのJohn Merrill COOによると、同社は電子証明書の世界で「思考のリーダー」に位置付けられているという。63もの規格団体に参加し様々な規格の策定に積極的に関与、業界標準を牽引する立場にある。同社の創設者は、かつてユーザーとしてSSL電子証明書を利用しようとした際に、インストールが難しいにも関わらずサポートが十分でないことを痛感した。この出来事がDigiCertの創業につながったというだけに、単にSSL電子証明書を提供するだけでなく、企業が実際にインストールしてセキュリティを高めるまでをサポートするべきと考えている。

 DigiCertは、企業認証付SSLサーバー証明書で世界2位のシェアを持つが、主な提供先は欧米企業となっている。日本にも直接Webサイトを通じてDigiCert製品を導入しているユーザーがいるというが、サポートを何より重要視するDigiCertにとっては本意ではない。そこで、アジア展開の足掛かりとしての日本のパートナーに選んだのがサイバートラストだった。

 サイバートラストをパートナーに選んだ理由のひとつが、「企業文化が近いこと」だという。サイバートラストは、主力事業のひとつとしてセキュリティコンサルティングを挙げるなど、「DNAに"ユーザーのために"という考え方が刻まれている点が共通している」のだという。また、「両社ともアシュアランスが低い証明書は発行せず、常に最高レベルのもののみを扱ってきた」点も共通しているという。

 CTOのDan Timpson氏は「世界で11万5000社に導入実績のあるDigiCertの高品質なEV SSL証明書や企業認証SSL証明書が、サイバートラストの高品質なサポート体制のもと提供されることは、日本のユーザーに大きな恩恵をもたらすことになる」と述べ、自信を見せている。

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