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米AWSがビッグデータ用BIサービス「Amazon QuickSight」を発表、「分析コスト10分の1」うたう

2015年10月8日(木)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

米AWS(Amazon Web Services)は2015年10月7日(米国時間)、BI(Business Intelligence)のためのサービス「Amazon QuickSight」を発表した。10月末から順次サービスを提供し、グローバルな正式サービスは2016年を予定する。IaaS(Infrastructure as a Service)から始まりPaaS(Platform as a Service)へと対象分野を広げてきたAWSだが、アプリケーション分野にも、その範囲を広げたことになる。

 「Amazon QuickSight」は、ビッグデータを分析するためのBI(Business Intelligence)機能を提供するサービス。従来型のオンプレミスで利用するBIツールと比べ「10分の1の費用で利用できる」とする。AWS(Amazon Web Services)上にあるデータだけでなく、オンプレミスのデータも対象にする。

 分析対象になるデータソースとしては、DWH(Data Warehouse)サービスの「Redshift」や、RDBの「RDS」、MySQL互換の「Amazon Aurora」、マネージドHadoopクラスターの「EMR」、NoSQLの「DynamoDB」、ストリーミングデータに対応する「Kinesis」、ストレージサービスの「S3」に対応。ほかに、MySQLとOracle、SQL Server、PostgreSQLのフラットファイルにも対応する。コネクターを経由すれば、米Salesforce.comなど外部サービスのデータにもアクセスできる。

 操作性や基本機能は、他社の最新BIツールと同等のようだ。企業がAWS上に保存しているデータソースを自動的に検知し接続したり、可視化したい表と列を選べば最適と考えられるグラフ形式を推奨する機能もある(図)。作成したグラフやレポートは、社内で共有できるほか、他のアプリケーションやWebサイトに埋め込める。複数のグラフを組み合わせながら「ストーリー」に沿ったプレゼン資料を作成することも可能だ。

図:AWSのBIサービス「Amazon QuickSight」の画面例図:AWSのBIサービス「Amazon QuickSight」の画面例
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 「SPICE(Super-fast、Parallel、In-memory Calculation Engine)」と呼ぶインメモリー処理エンジンを利用することで、対話型で高速にデータを可視化できるとしている。数十万ユーザー、テラバイト級のデータを扱えるようスケールするという。SPICEに保存されたデータには、市販のBIツールからもアクセスできる。既に、Domo、Qlik、Tableau、Tibcoといった米国ベンダーと連携のための協業を開始している。

 QuickSightには、「Standard Edition」と「Enterprise Edition」がある。Enterprise Editionでは、最大2倍のスループットや、粒度が細かいアクセスコントロール、データ保存時の暗号化、企業が持つActive Directoryとの統合などの機能が利用できる。

 料金は、Standard Editionが、1ユーザー当たり月額12ドル、1年の利用契約を結べば月額9ドルになる。SPICEのストレージ使用料として、10GBを超えた容量に対し、1GB当たり月額25セントが発生する。Enterprise Editionは、1ユーザー当たり月額24ドル、1年契約だと月額18ドル。10GBを超えるSPICEのストレージ使用料は1GB当たり月額38セントになる。

 2015年10月末からプレビューへの申し込みを受け付ける。同時期からUS East(北バージニア)リージョンから開始し、US West(オレゴン)とEurope(アイルランド)に拡張。2016年からグローバルで正式にサービスを開始する予定である。

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