[新製品・サービス]

SAPジャパン、S/4HANAの新製品を発表

2015年11月16日(月)杉田 悟(IT Leaders編集部)

最近のITトレンドでは、IoTやビッグデータなどニュービジネスに直結するソリューションに注目が集まっている。ところがERPなど、企業の根幹を支えるバックエンドシステムにも大きな変化が起こっている。その代表格といえるのが、SAPの新製品戦略だ。インメモリーデータベースとして登場したHANAを同社の主力製品であるERPの基盤に据え、1からコードを書き直したという「SAP S/4HANA」が2015年2月に発表され注目を集めた。そして2015年11月12日、SAPジャパンは自社のプライベートイベントであるSAP Forum2015Tokyoで、その最新版をお披露目した。

 SAP S/4HANAの最新版として発表された「SAP S/4HANA Enterprise Management」は、スタンドアロンソリューションとして提供されているアプリケーションとの組み合わせなどにより、新たに10の業務部門に対応した。従来は「Simple Finance」として会計領域のみをカバーしていたが、一気にカバー領域を広げた。

 同時に発表した「SAP S/4HANA Lines-of Business(LoB)」は、SAP S/4HANA Enterprise Managementと連携させて、様々な業務部門のデジタル化を実現するためのソリューションだ。例えば、タレントマネジメントシステムである「SuccessFactors」と、非正規雇用者管理システムの「FIELDGLASS」を組み合わせることで、人事管理ソリューションを形成する。

(図)SAP S/4HANA Line-of Businessのポートフォリオ
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 LoBソリューションとしてはほかに、経費精算ソリューションの「CONCUR」や支出管理ソリューションの「ARIBA」、マーケティングソリューションの「Hybris Software」などがある。これらとの組み合わせ、あるいはSAP S/4HANA自体の機能追加によって、従来の会計に加え、営業、サービス、マーケティング、コマース、調達、製造、サプライチェーン、アセット管理、研究開発、人事などの業務部門向けソリューションとして利用できるようになる(図)。

 現在は、すべての事業部門ソリューションをオンプレミスで提供しているが、今後クラウドにも対応させていく予定だ。

 また、SAPジャパンはSAP S/4HANA最新版の発表に合わせて、ERPの移行支援サービスも開始した。「SAP ERP」など既存のERP環境からSAP S/4HANA Enterprise Managementへの移行を支援する。フェーズに合わせた3つの移行サービスを用意した。企画・構想フェーズあるいは計画フェーズ向けには「ストラテジー&プランニングサービス」を、実行フェーズ向けには「実現化支援サービス」を、運用・改善フェーズ向けには「イノベーション支援サービス」を、それぞれ提供する。

 パートナーからも、SAP S/4HANA Enterprise Managementの発表を受けたサービスが登場している。野村総合研究所(NRI)は、SAP S/4HANA Enterprise Managementに対応した導入テンプレートの提供を開始した。併せて、導入プロジェクトを円滑に進めるためのコンサルティングサービスも提供する。JSOLは、SAP ERP導入プロジェクトのノウハウから作成したテンプレート「J-Model」をSAP S/4HANAに対応させたことを発表している。

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