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[インタビュー]

「CIOは“デジタルベンチャーキャピタリスト”を意識せよ」──米ガートナーのデーブ・アロン氏

2015年12月11日(金)川上 潤司(IT Leaders編集部)

様々なテクノロジが進化しビジネスに多大な影響を与えるようになった今、CIOはIT部門全体の“デジタルIQ(知能指数)”を高め、表舞台で戦略をリードしなければならない」──米ガートナー リサーチでバイスプレジデント兼ガートナーフェローを務めるデーブ・アロン氏はこう強調する。幾つもの案件を抱えて多忙を極めるリーダーが現実的に採りうる手立てとは何か。同氏のアドバイスを紹介しよう。

 デジタル化が加速する中で、CIOをはじめとする幹部は、企業の成長戦略を考え、それを実行する強いリーダーシップを発揮していかなければならない。もっとも、既存システムの維持運用だったり、事業部門から寄せられる案件への対処だったり、やらなければならないことが山積していているという事情は十分理解している。そうした状況下で、具体的なアクションを起こしていくにはどうしたらよいかを考えてみたい。

IT部門内にCEOとCOOを

 ガートナーはここ数年、「バイモーダル(2つの流儀)」という考え方を打ち出している。基幹業務システムに代表される、これまでIT部門が長く携わってきた事業領域がモード1。それに対して、最新のITを駆使して、斬新なビジネスモデルやアプリケーションを試行錯誤し、新たな競争軸を創っていくのがモード2だ。これは、デジタルビジネス戦略の策定と実行と言い換えてもいいだろう。それぞれで、異なるマインドセットやスキルが求められるが、バランスよく対峙していかなければならない。

米ガートナー リサーチ バイス プレジデント 兼 ガートナーフェローのデーブ・アロン氏

 まずCIOは、モード2のことを考える時間を意識的に捻出しなければならない。そうしなければ、日々の仕事に忙殺され他社に遅れをとるばかりだ。時間がなかなか作れないということであれば、IT部門の指揮系統に工夫を加えてみればどうだろう。CEOとCOOの役割分担のモデルをIT部門に取り入れてみるのも手だ。

 一般的に、CEOは企業の最高責任者として自社が置かれた環境を広い視野で把握し、正しい方向に導く責務を持つ。一方のCOOは、文字通りオペレーションに責任と権限を持って、業務遂行にあたる。同様に、経営陣や事業部門と常に会話し“次の一手”を考えることをCIOの使命とし、その右腕に、IT基盤のコントロールやガバナンスを統括する人物を位置付けるのだ。CIOにとって大事なのは、部門長としてすべて管理・掌握することではなく、うまく機能する組織体制を整えることだということを強く意識してほしい。

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