[調査・レポート]

2016年、中堅・中小企業のIT投資・活用はこうなる─ノークリサーチ分析

2016年1月12日(火)IT Leaders編集部

IT市場調査会社のノークリサーチは2016年1月12日、「2016年中堅・中小企業のIT活用における注目ポイントと展望(業務システム編)」と題した調査概要を発表した。同社が2015年に実施した複数の市場調査結果を基にまとめたものである。

流通・運輸・建設・サービス業の人材不足を補うIT活用

 流通・運輸・建設・サービス業に属する中堅・中小企業におけるIT活用の展望についても考察が紹介されている。図3は、これらの業種における、前回調査時点と今回調査時点を比較した2015年の経常利益DIの推移をプロットしたものだ。

図3:流通・運輸・建設・サービス業の経常利益DIの変化(出典:ノークリサーチ「Quarterly Report 2015年秋版」)
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 流通・運輸・建設業では人材不足が大きな課題で、IT活用にも、初期投資を抑えたソリューションが受け入れられる傾向がある。グラフからは、サービス業と比べ、流通・運輸・建設業はDI値の変化が激しいことが読み取れる。

 ノークリサーチによると、流通・運輸業の場合、以前は荷主による値下げ要請や燃料費の上昇などが業績を押し下げる要因となっていたが、適正料金収受に向けた取り組みや燃料価格の下落によってこうした懸念は徐々に解消されつつあるという。

 同社は、2015年11月の三井倉庫ホールディングスによる丸協運輸の買収をはじめ、中堅・中小のトラック運送業者の買収が幾つか見られたことに着目。人材不足の解消や業態の拡大に向けて、今後もこうした買収が行われる可能性を指摘している。その際、中堅・中小企業向け配車管理システムへのニーズの高まりが注目されるという。

 建設業では、被災地の復興や道路などの社会インフラ修繕といった公共事業の需要が今後も堅調に伸びると予想。ただし同時に、中堅・中小の工務店にとっては資材価格上昇や人材不足が懸念事項になることも指摘している。「特に人材不足については流通・運輸業と同様、建設業においても大きな課題として残っている。2015年に発覚した杭打ち不正問題によって、作業工程管理の厳密化が求められれば、工数増に伴う人材不足がさらに顕著になる可能性もある」(同社)

 同社は一方で、建設現場におけるスマートフォンやドローンの活用が進むことも予測する。これらに共通するのは少ない投資額で大きな業務効率改善が期待できる点で、初期投資を抑えつつ効果を求めたい中堅・中小企業のニーズにこたえる可能性がある。

 ノークリサーチは、このほかに2016年にIT活用の動向を注視すべき業種として金融・保険業を挙げる。2016年5月末には改正保険業法が施行され、保険代理店などは顧客の意向を把握した上でのダイレクトメール送付や事業報告書の提出などが求められ、それに関連するIT基盤の整備が必要となる、というのがその理由だ。

 「銀行におけるIT企業への出資制限緩和も検討されており、いわゆるフィンテック(FinTech)への取り組みもさらに活発になる可能性がある」と同社。ただし、フィンテックについてはやや過熱気味の感もあり、ブロックチェーンのように金融ビジネス自体に影響を与える可能性のある新しい技術と、従来から存在する会計/決済サービスを区別・整理しておくことも重要であると指摘している。

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