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自動運転システムのソフト更新を無線で行う製品を開発―日立グループ

2016年5月6日(金)IT Leaders編集部

日立製作所と日立オートモティブシステムズおよびクラリオンは2016年4月28日、自動運転車両やコネクテッドカーなどを対象に、無線通信によってECU(Electronic Control Unit:電子コントロールユニット)のソフトウェア更新を行う「OTA(Over the Air)ソフトウェア更新ソリューション」を開発したと発表した。2018年の提供開始を予定している。

 「OTA(Over the Air)ソフトウェア更新ソリューション」は、更新ソフトの送信を行うデータセンター(OTAセンター)から車両側のシステムまでを、日立グループの技術を使って一貫して構築するものだ。信頼性、セキュリティに優れ、無線通信による短時間でのソフト更新を可能にする。車両を制御するECU(Electronic Control Unit:電子コントロールユニット)ソフトウェアを、車両製造後も遠隔アップデートで適宜更新できるようになる。

 更新ソフトの生成や配信を行うOTAセンター側のシステムと車両側のシステムで構成される。日立が開発を担当したOTAセンター側のシステムでは、同社独自の差分生成サービスや高速、安全な配信サービスを提供する。具体的には、OTAセンター側で新プログラムと旧プログラムの差分を抽出、暗号化し、差分データのみを車両に配信する。

 日立オートモティブシステムズが開発を担当した車両側のシステムは、クラリオンの無線通信機(TCU:Telematics Communication Unit)で受信したデータセンターからの差分データを、OTAソフトウェア更新制御機能やセキュリティ機能を搭載したセントラルゲートウェイを介して自動運転ECUやエンジンECUなどの更新対象のECUに送信する。ECUは、差分生成サービスに対応する高信頼な差分復元・更新ソフトウェアを用いて、差分データと旧プログラムから新プログラムを復元し、メモリー上のプログラムの書換えを実行することで、ソフトを更新する。

 また、データセンターと車両のセントラルゲートウェイ間では、配信データの暗号化や相互認証を行うことで、情報漏えい、改ざん、なりすましを防止し、安全なソフトの更新を可能にする。

 日立はグループで、データセンターから車載ECUまでの要素技術をすべて保有しており、個別の技術、製品の提供に加え、同システムを一貫して構築することもできる。現在、実車両を用いたセントラルゲートウェイなどの実機を搭載したプロトシステムを開発済みで、2018年の製品提供を予定しているという。

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